それでも俺のFD3Sは、速い!?

 バキュームホースの両端から、ブースト圧が瞬間的に「ブシュ!」と漏れるから遅いんだよ!と、親切丁寧に、説明しても、「それでも俺のFD3Sは、恐い位に速い!」と言うユーザーは後を立ちません。

 つい先日も、50万台280馬力グレードのFD3Sに乗っているSRさんが、「知り合いで50万台FD3Sの265馬力グレードで車検対応マフラーを装着したクルマが異常に速いんですけど・・」と”文句”を言ってきました。その人のFD3Sを運転できる機会があり、特にセカンダリー側タービンの立ち上りの時に速くて、自分の280馬力のノーマルより、遥かに速い!と言うのです。

 SRさんは、新車から慣らしの方法までこだわって、こちらが薦めるポイントを押さえながらじっくりクルマを仕上げつつあります。何も速くなろうはずのチューニングではないが、後々大きな影響を受けることが解っているのでこの方法を取っているはずでした。しかし、マフラーを交換しただけの格下FD3Sに負けるのが嫌の様です。

 「もし、機会があって、2台並走で2速フル加速でもして、きちんと比べないと解らないと思うよ。」と話したら、その日の内にそのチャンスが現われて、早速試したそうです。結果は、セカンダリーの立ち上り時のみ、クルマ半分差が出来て、その後は、その差を維持したままで、それ以上の差は出なかったようです。(もし、相手のFD3Sが、きちんとバキュームホースを対策して、車検対応マフラーを装着していれば、低回転から、ククッククッと引き離され、200m先では、1台半から2台分の差が付いてしまうと予想されます。)

 結構解っていると思ったSRさんでもこんな感じです。

 「何故か?」というと、通常自分のクルマの感覚だけで、「速い!」とか「遅い!」とか判断するしかない一般ユーザーにとっては、下がおもっきり遅くて、ブーストの立ち上りのみ速ければ、それで速くなったと勘違いします。私達が走行チェックで遅いか速いかを判断する時、スタートから何mで時速何キロになるかとか、何秒で何速何千回転になるのかを判断材料にしています。その後に体感でどうかを判断していきます。そうしなければ、正しい判断は出来ません。

 FD3Sは、嫌になる位(?)フラットトルクです。車検対応マフラー装着車と言えども、フラットトルクのはずで、「恐い程速い!」とか、「コーナリングが恐い!」というのは、やはり、トラブルが発生している証拠なんですヨ。

興味のある方はバキュームホースの基本、 0-200mデータ