足廻りブッシュ

 交換方法は、基本的にメーカーの整備書の作業方法に従って行ないますが、実際にはその方法では無理な場合も出てきます。

整備書例実際に、左の図は、メーカー整備書の一部ですが、メーカー設定の特種工具を使用して、この方法で交換しようとしても、不可能です!!
通常は、右下の油圧プレスを使用して交換します。
しかし、整備書通りに作業しているのに、目的が果たせないというのは、経験豊富なメカニックなら、当たり前のことです。それを工夫しながら、自分なりの方法を開発するのが、ごく当たり前のメカニックの仕事です。

 しかし、残念ながら、今まで強化ブッシュを交換した車輌で、再度交換する機会(=他のショップで強化ブッシュに交換して、「走行距離が、結構いったからまた交換して下さい。」と依頼された時など。)があった時には、外してみると、悲惨な状態になったブッシュを見ることになります。
 ブッシュの一部が剥がれたまま挿入された物、果ては、相当入れにくかったと見えて、ブッシュの一部をカットして挿入されている物まで、外してびっくりの作業です。何のための強化ブッシュ交換なのか?非常に疑問を感じる。しかし、これが現実です。

 そんな情けないショップを弁護する訳ではありませんが、86のブッシュを交換するのを、たまたま他の修理工場で見る機会がありましたが、なんと楽なことか!
 SA22CやFC3S、FD3Sでは、油圧プレスを充分注意しながら、作業しなければ、アルミで出来ているベースにクラックを入れてしまうことすらあります。

 そんな難しいブッシュ交換だからこそ、きちんと作業しなければ、強化ブッシュに交換した効果は得られません。
 現在までに、強化ブッシュの効果を正しく評価しているコメントを聞いたことがありません。実は、非常にシンプルで、素人にも充分体感できる効果があります。