お言葉ですが、1000分の一は、測れません! 

 タービンのオーバーホールに関する取扱い説明書を作成しました。それを見たユーザーが、電話してきました。

 いろいろ質問をしてきましたが、話の初めから、奥歯に物が挟まったような言い方でした。
 ついに、タービンシャフトのフレの項目に話しが進み、「ここの数値は、100分の8ですよね。」と言うので、「いいえ、1000分の8です。」ときっぱり言うと、

 ユーザーは、「私は、2級整備士免許を持っています。」「専門学校にも、きちんと行きました。」
 「お言葉ですが、1000分の一は、測れません!」と確信を持って言い放ちました。

 私は、「では、タービンのオーバーホールは、出来ませんね。」「測るしかないのです。」と静かに言うと、「う〜ん。」と言って、暫く黙ってしまいました。はなから、測定不可能なのは、解っているのです。しかし、それが出来なければ、その先には進めないのです。先に進みたければ、やるしかないのです。

 1000分の一が測れないと言ってきたのは、何もこのユーザーだけではなく、何人もいました。きちんとした知識を持った常識のある人は、みんなこう言うはずです。しかし、私の答えは、いつも一緒です。

 世間の常識で、立ち止まれば、何もできない。自分で工夫しながら、先に進みましょうよ。