シール剤(液状ガスケット)とシールテープ。

 シール剤シールテープ、気軽に使用してしまうアイテムです。しかし・・・

 まず、明らかに悪い例から・・
 「
量販店でミッションオイルを交換しました。」と言う人の殆どがそうなっています。

 車種によっても異なりますが、大抵の場合、ミッションのドレンプラグは、”テーパー”になっています。ネジの太さが締め込む毎に太くなる構造です。インチでサイズがあります。(六角穴付きテーパーねじプラグ→PT1/8、PT1/4、PT3/8・・

 ネジもテーパーになっているので、締め付けるとネジ山同士の隙間も小さくなります。この隙間は非常に小さくする事が可能なので、特にシールテープやシール剤は必要ありません。
 
きちんと締め付けるだけで良いのです。

 しかし、例えばFD3Sでは、二つあるドレンプラグのリア側は、新車の状態でもかなり締め込んだ状態です。そのためきちんとした締め方を知らない場合、締め過ぎてベースのアルミにクラックを入れてしまう事があります。
 もし、クラックを入れてしまえば、ミッション交換になります。

 で・・ディーラーにおいても時々シール剤を塗って弱く締めている事があります。

 そのせいでしょうか?最近では、量販店でギアオイルを交換した人は、殆どシール剤を塗ってオイルダラダラ漏れでやって来ます。
 皆さんも充分御注意ください。

 次に通常の隙間をシール剤で埋めようと考えている場合ですが・・

 せいぜい、埋められる隙間は0.01mm単位以下の隙間です。0.1mm単位以上ましてミリ単位の隙間を埋める事は出来ません!!

 油圧や水圧を馬鹿にしてはいけません!想像異常に高い圧が掛かり、どんなに止めても止まりません!!

 通常、ミリのネジ山を使用したアダプターなら、銅かアルミのワッシャーを”必ず”使用します。それで充分な筈で、シールテープやシール剤は念入りにやる人の補助的な物と考えてください。

 この部分をシール剤やシールテープだけで止めよう(=止まる!)と考えている人は、全く基礎が出来ていないか、よっぽどノー天気な人だと、私は考えています。

 そして、こんな方法を取って何とも思っていない人は、その後に発生する重要なトラブルを経験した事のない幸せ(?)な人だと、断言出来ます。

 ラッキーで、エンジン破損など、一歩間違えると、死亡事故。

 皆さんも本当に注意してください。

 これは、レーシングアートからの心からのお願いです。”マジで”死にますよ!