知っていると便利!?
ロータリーエンジンに乗っていて、これを知っていると”結構便利”というものを箇条書きにしてみました。
1.通常のエンジン始動方法。
- エンジンを始動する時に、クラッチペダルを全開(底までペタッと踏み込んで)にして、アクセルペダルはさわりません。
- エンジンキーを回します。この時、1秒も回さない人がたまにいますが、きちんと始動するまで回しましょう。(気持ち的には3秒位かな?)
※クラッチペダルを全開にする理由は、エンジンとミッションを切り離すことで、セルの負担を軽くし、エンジンを勢い良く回すためです。
※なお、弱ったバッテリーでは、ちょっとしたカブリでもエンジンが掛からなくなってしまいます。バッテリーは早めに交換しましょう。(レーシングアートでは、バッテリーにもコダワリます。何が良いのかは相談ください。)
2.エンジンを掛けてすぐに止めてしまうことは、禁止です。
特に走行距離が多いクルマや、コンプレッションの低いクルマ、レーシングプラグを使用しているクルマは気を付けてください。
自宅で縦列駐車で止めていて、家族のクルマを先に出して、入れ替えるなどのパターンです。近所迷惑だからと始動して移動してすぐに止める。すぐに再始動して元の場所に移動してすぐに止める。これを繰り返すと、新車間もないクルマ以外はほとんどエンジンが、掛からなくなってしまいます。
- 一度エンジンを始動したら、少なくとも水温計の針がピクッと動くまではエンジンを止めないでください。
3.エンジンがカブったら。
もしもエンジンがカブったら・・本当に嫌ですね。特にこの時期寒いのにエンジンルームを開けてプラグを外して乾かして再度取付けて、恐る恐るセルを回して、まただめで、プラグを外して・・・
考えただけでも、ゾッとします。
セルを回した時、ヤバそうならすぐに諦めて、この方法を取ってください。(掛からないのにセルをしつこく回してしまうと、この方法は役に立ちません。)
- クラッチとアクセルペダルを全開にします。
- セルを20秒位を2〜3回(途中長めにセルを休ませながら)回します。
- その後、クラッチペダルのみを全開にして、アクセルペダルには触れずにセルを回します。
- エンジンが掛かったら、エンジン回転を3,000〜4,000rpmに維持して、カブリが取れるまで2〜5分程度そのままにします。
- そっとアクセルペダルを戻して回転が安定したら、OKです。
※アクセルペダルを全開にする理由は、燃料ポンプを止めてガソリンが出なくするためです。(ガソリンが出ないままエンジンを回転させるとエンジン内部はだんだん乾いてきて、多少のカブリであれば、この方法で取ることが可能です。
※FC3Sマイナー後以降の車輌は、クルマが停止している状態で、アクセル全開にすると『異常』と判断され、燃料ポンプを停止する機構があります。この機構を利用します。
※エンジンが掛かった時に決して、『エンジンをレーシング』しないでください。(レーシング=エンジンを空ぶかしすること。)アクセルを踏み込む度に必要量以上に噴射される為、どんどんカブってしまいます。
※この方法でだめなら、新品のノーマルプラグに交換してください。
4.アイドリングで放っとかないで!
高速道路のパーキングなどでエンジンを掛けたまま、仮眠してしているあれのことです。
- ロータリーエンジンでは、アイドリングでは不完全燃焼をより起こし易くなり、アイドリングが長ければ長い程エンジンがカブると考えてください。
- 同様に、全く動かない渋滞にハマった後は、3.にあるエンジン回転を上げる対策を行なってからエンジンを停止するように気を付けてください。
5.もし自分のエンジンがコンプレッションが低いエンジンだったら・・
悲しいことに、もしもあなたのエンジンがコンプレッションが低く(目安として8.0キロを切るとそろそろこれらの儀式が必要になります。)なっている場合には、次のことに注意しましょう。これらに注意すれば、結構乗れるものです。
- バッテリーは、最良の状態にしておきましょう。少しでも不安な状態なら、早めに新品に交換することをお薦めします。(特に冬には注意が必要です。)
- 1.〜4.の注意点は、完璧に守りましょう。
- もしもの場合に備えて、ノーマルの新品プラグを準備しておきましょう。
6.もしも、コンプレッションが、7.0キロ(メーカーで定めた限度値です。)を切っている場合には、更に厳しくなります。
- 時々何をやっても掛からない症状が現われ始めます。
- エンジンが冷えている時には、問題なく始動出来るが、30分位走行後にエンジンを止めると何をやっても掛からない。しかし、30分位放っとくと、これも何事もなかったかのように始動できる。
- 通常の市街地走行中に突然プスプス言い始めて、突然カブってエンジン停止。何をやってもダメなのに、この場合も30分位放っとくと、嘘のようにエンジンは始動でき、暫くは何事もなかったかのように走る。しかし、思い出したかのように突然症状が再発し、だんだん頻度が高くなる。
- エンジンが始動できなくなって、「またカブっちゃった!」と思い、プラグを外してみても、プラグは全く乾燥している。掛からない原因が解らない??と悩むが、翌日にはやはり嘘のように直っている。
このようにコンプレッションが限界に達していると、”訳の解らない”症状が多数発生してきます。それが嫌なら、エンジンをオーバーホールしましょう。
7.エンジンをオーバーホールするなら・・
チューニングショップによっては、オーバーホール直後に、この独特な症状が発生するような物さえあると、風の噂に聞きます。
もし、あなたがまともなエンジンで、安くオーバーホールを行ないたいと考えるなら、メーカーリビルトがお薦めです。
- 一回のみ、6ヶ月間は保証も効きます。
- 当然クルマを全くのノーマルに戻してから、ディーラーに持ち込みます。
- 壊れたエンジンは、必ず、メーカーのノーマルエンジンというのが条件です。(エンジンの各ハウジングにシリアルナンバーが打ってあります。)
おまけ:怪しいチューニングショップに騙されない方法。
チューニングショップの人間がこんなことを言うのも変な話ですが・・『聞き流してください。』と言う話です。
- 初めて、相談に行くと、何でも「大丈夫!大丈夫!」と言うのに、いざ作業に入るとちぃっとも大丈夫じゃない。
- 突っ込んだ話をしていくと「こっちは、プロだ!素人に何が解るか!」と”必要以上に”威圧的な態度に出る。
- 話を聞く度に、言うことがコロコロ変わり、一貫性がない。
- 「これは、クレームかな?」と微かな淡い期待で相談しているだけなのに、話をごまかして気が付くと訳の解らない理由が飛び出してきて、「ダメだ。こりゃ。」と話す気もなくなる。
- オーバーホールの作業を依頼し、作業受付時の見積りと、作業終了後の見積りが大幅に異なり、抗議すると”素人には、にわかには理解できないパーツリストを提示され、これだけのパーツが出ている。」と言われる。(もちろん、作業途中には何の連絡もない。)
ここで、聞くと「何でこんな所に騙されるんだろう?」と思うかもしれませんが、実際に、その場にいると、結構騙されてしまうものです。
かく言う私も昔素人の頃、結構騙されました。
だからこそ、あなたには、騙されて欲しくないと切に思うのです。
ひとつだけ確かな判断材料は、『何か、変だなあ?』と感じたら、その日は一度帰って、一晩考えて、それでもやりたければやりましょう。何も焦ることなどありません。『何か変だ!』という”野生の感(?)”を信じましょう。