パクパク(?)クラブ。

 ・・何だパクパククラブ??・・

 実は、作業の終わったクルマを引き渡す前に、助手席にユーザーを乗せて、注意点を説明しながら走行チェックを行なう時に、発生する”ある事象”を示してします。

 そうです。唖然としたユーザーが、言葉を発することが出来ず、口をパクパクしたり、やっと喋ったと思ったら、訳の解らないことを言ったりするその”不思議な(?)事象”のことです。

 会員番号001
 気合いの入ったチューニング人生を白のFC3Sで、ひた走るSZさんです。
 実は、初めてこの事象に出会ったのが、SZさんだったのです。

 確か、別のショップで装着したフルタービンキットに入っていたウエストゲートの調子が悪く、信頼性の高い別メーカーのウエストゲートに交換作業を完了した時の試乗時だったと記憶していますが・・
 メインの作業は、ウエストゲートでしたが、バキュームホース対策(FC3Sでももちろん重要!)もやることになりました。

 パワー系の変更は、何もありません。当然、私自身も含めて、飛躍的なパワーアップがあるはずはないと思っていました。ところが・・・

 結構、排気もブーストも漏れていたようで、”おやっ?”と言う位速くなってしまいました(?)。

 それでも、私としては、その効果は『結構漏れていたんだ〜。』という印象でした。

 SZさんを助手席に乗せて、一個目の信号まで75%加速で、『ねっ。結構速くなっているでしょう。』『本当は修理だから、速くなるはずはないんですけどね!』と話し掛けました。
 ところが、何の反応もありません。’あれっ。この違いが解らないのかな?ちきしょう!しょうがないな〜。’と短気な私はすぐに結論を出して、
 ’あ〜あ。これが解らないんじゃこの人にお金使わせるのは、無駄かもしれないな〜。’と漠然と考えていた頃、急に、ぽそぽそ小声で何か話し始めました。
 「レーシングアートで見て貰うようになって、今までで一番良かったと思ったのは、エアコンが使えるようになったことなんです。」と?。
 私は、一体何を言いたいのか訳が解らず、『えっ!今までエアコンは使わなかったのですか?』「フルタービンにしたら、エアコンを使用できないのかと勝手に思っていたんです。」と。
 当然こんな噛み合わない話をしながら、私は内心’何でこんな時にエアコンのことなんだ???と訳が解らん!’と考えていました。

 とうとう我慢できず、『それで!速くなっているのは解るんですか?』とちょっと厳しい語調で聞いてしまいました。「はい。速いと思います。」と弱々しい声で答えます。
 ’やっぱり、この人ダメだ!’と結論付けて、試乗を終了しました。

 ところが・・・・
 クルマから降りた途端に、「凄い!!凄い!!!」を連発し始めました。さっきまでとガラッと態度が変化して、かなり興奮して、自分のクルマの周りをくるくる回り始めました。

 どうやら、びっくりし過ぎて、声も言葉も出なかった様子でした。

 良く考えてみると、一個目の信号で横を向いた時、口を半開きにして、小刻みに唇を”パクパク、パクパク・・”と動かしていたのでした。
 クルマの周りを訳もなくくるくる回っているSZさんを見ながら、’あの時は、びっくりして声も言葉もでなかったんだ!’と妙に納得した私でした。

 その時は、こんな反応をする人もいるんだ〜!ということで終わったのですが・・・

 会員番号002
 インプレッサで、バキュームホース対策を行なったUSさんです。
 最寄り駅まで、迎えに行ってそのまま、試乗説明に移りました。

 『ブレーキが危ないから、気を付けてね!という試乗説明でしたが・・・

 やはり、一発目の加速で、”パクパク、パクパク・・・”状態になってしまいました。今回は、全く、言葉が出ないという様子でした。
 しかし、インプレッサの場合には、仕方がないと思っています。

 あんなに遅かった(?)インプレッサが全く別のクルマになってしまい、ノーマルブレーキでは、全く止まれないクルマになってしまったのですから・・

 なにせ、パワー、トルクが充分上がったせいで、へなちょこノーマル足廻りがそこそこの操縦安定性を示すようになってしまったのですから・・

 会員番号003
 初期目視点検にやってきたFD3S40万台のTDさん。ディーラーのメカニックが壊してしまったバキュームホース対策を修理していたMTMさんのFD3Sの助手席に乗せました。
 『まだ、80%位しか元に戻っていないけど、バキュームホース対策をしたノーマルのFD3Sの雰囲気を少し味わって貰おうと思っています。』と説明しながら、一個目の信号へ、横目でこわばっているのを確認しながら、『どうです。結構、速いでしょう。』『まだ、疑わしい部分が残っているので、上の方は比較に入れないで、下側のトルクの大きさを確認してください。』と言って、『2,600rpm付近のトルクが圧巻でしょう。』と言って振り向くと・・・・・またしても・・・

 小刻みに、口を”パクパク、パクパク・・・”しています。一応冷静を装っていますが、明らかに動揺している様子です。

 そんな様子には構わず、『このクルマは280馬力のノーマルで、調子が悪くなっている状態です。』『TDさんのFD3Sは、メインマフラー交換の仕様で、ブーストも瞬間的に上がってしまっている筈で、このクルマより、遅ければ、嘘です!!
 『でも、遅いでしょう?

 「確かに、遅いと思います。」「特に、2,600rpm付近ははっきりと解ります。
 「・・・でも、このクルマ、本当に調子が悪いんですか?」と。
 『自分のクルマを対策すれば、すぐに解りますよ!

 後日、連絡を貰って、「あの時は、かなり、動揺していました。」と懺悔した(?)迷える小羊のTDさんでした。

 皆さんも、自分で是非体験してみてください。
 何故、レーシングアートのユーザーが”
パクパククラブ”になってしまうのか?

 きっと、あなたも、すぐに”パクパククラブ”の会員になってしまいますよ!