クルマは、命を乗せている!
聞き慣れたフレーズですね。
でも、本当にこのことを理解しているオーナーは、どれだけいるのでしょう?
非常に疑問です。
ボロボロのFC3Sを、個人売買で購入したユーザーが、私のユーザーの紹介でやってきました。
クルマに対する考え方にやや疑問がありましたが、私の良く知っているユーザーの紹介だったので、”半ば仕方なく”作業を受けることにしました。
来店第一日目に、軽く走行チェックして、来店第二日目、作業するためにリフトに上げてみて、全身の血液が凍り付いてしまいました。
- フロント左のハブとショックを止めているボルトのナットが無くなっています。
- もう一本のナットも緩んでいます。
- フロントのブレーキパイプを必要以上に曲げているため、将来ブレーキフルードが漏れて、危険。
- フロントショックのアッパーマウントのナットが緩んでいます。
- などなど。
マクファーソン・ストラットの構造を知っている人だったら、”凍り付いた”恐ろしさを理解出来ますよね。
しかし、このユーザーは、最後まで(その後、出入り禁止(?)になりました。)、その危険性を理解していなかったようです。
前勤めていたショップで、試乗チェック中に、従業員の死亡事故が発生しました。原因は、結局、解明出来ませんでしたが・・
私個人としては、預かったユーザーのクルマに、何らかの問題があったのではないかと考えています。
人のクルマで、死ぬなんてことは、決してしたくないですよね。
私が学生時代に、私の友人達は、私のクルマを『走る棺桶』と呼んでいました。むちゃくちゃな運転で、いつ死んでもおかしくない!と思われていました。また、私自身も、「自分のクルマの中で、死ねたら、本望だ!」といきがっていました。
そんな命知らずの若者だった私でも、人のクルマで、人の運転で死ぬのは、本当に嫌でした。だから、人のクルマには、数える位しか乗りませんでした。
しかし、今は、『何がどれ位危険なのか』、解っています。
だから、決して、危険なクルマには、乗りません。
話は少し脱線しますが、よくその危険性を理解させるため、ユーザーに「このクルマには、例え、300万円貰っても、乗りたくない!!」と、言います。
その真意は、300万円以上貰えば、悪いところを修理してから、乗ると言う意味です。(解ってますか?KMさん!)
クルマは、間違いなく、命を乗せているのです!!
実際に、死亡事故も発生しています。一般のユーザーは、その事実を知らないだけです。
私は、多くの経験を積んできました。
何が危険かを、普通のユーザーよりは、解っているつもりです。
だから、私が、『死ぬよ!!』と言ったら、心して話を聞いた方が、良いと思いますよ!本当に!