フューエルポンプから漏れが・・

 FD3Sのフューエルポンプの接続方法は非常に”危うい”状態です。

 上の左図のような構造になっています。(右上の写真がフューエルポンプの全体図です。)
プラスチックのステー同士で挟んでいるOリングで燃圧を止めている構造です。

 しかし、Oリングは完全に浮いている状態です。よって、燃圧は簡単に抜けてしまいます。(上の右下の写真のようにOリングは完全にフリーな状態です。)

 燃圧が抜けてしまうと言う事は、どんなに高価なコンピュータを装着していたとしても、エンジンが必要とする燃料がきちんと出てこないということになります。

 この構造自体を変えないと非常に危険です。

 そこでレーシングアートでは、この接続方法を信頼性のある方法に変更しています。簡単に言うとフューエルホースを使用して、確実にフューエルポンプと金属パイプを直接繋いでしまう方法です。

 ただし、この『オリジナル対策方法』は、レーシングアートではサーキット走行などに近い使用方法をしている人にしか今のところ薦めていません。
 というのは、本音としては、もちろん全てのユーザーに行なって欲しいのですが、きちんと”飛ばす(?)”人しか悪影響は出てこないからです。もし最悪の状況でも通常の”街乗り”では、他のクルマに比較して少しだけ早めにコンプレッションが落ちていく位で即エンジン破損に繋がることは稀だと判断しているからです。(→簡単に言っているけど、恐い話です・・・?

 しかし、本当に”慎重な人”は対策を行なってください。少しでも危険があるのが嫌な人は・・・

 余談ですが・・
 よく「フューエルポンプをGTR用に交換しました!」と言ってくる人がいますが、レーシングアートでは、有無を言わさず、FD3S用あるいは20Bコスモ用に交換してしまいます。
 理由は、ロータリー車では、フューエルポンプに掛かる電圧をエンジン負荷に応じて、10Vフ12Vの制御を行なっています。
 多分(→きちんとした実証は行なっていませんが・・)、この制御方法が災いして日産系のフューエルポンプが故障してしまうのです。

 私が経験した最悪の状況は、エンジン破損です。そして、私は、フューエルポンプが故障し始めると、エンジン内部のどこからどのように破損するのかを知っています。(この時、静かな環境でポンプの作動音が途切れ途切れになっているのを確認しました。→しかし、あまりに小さい変化なので、残念ながら、オーナーは気が付きませんでした。)

 だから、レーシングアートでは、GTR用フューエルポンプ装着車は、”即交換です。