結構速いぞ!スカイライン!!
 腫れぼったい格好をしていて、如何にも重そうなECR33スカイラインには、どうやらごく普通の一般人からも”かなり遅いクルマ!”と言うイメージがあるようです。
 腫れぼったい格好をしていて、如何にも重そうなECR33スカイラインには、どうやらごく普通の一般人からも”かなり遅いクルマ!”と言うイメージがあるようです。
 テスト走行時に必ず”チャチャ(?)”を入れて来るクルマに遭遇します。無理な割り込みなど・・
 しかし、すぐに諦めます。「この33は違うんだ!」と理解出来るようです。
 初めてこの33がレーシングアートにやって来た時は見るも無惨な(?)状態でした。
 派手なブローオフの音がする割に、絶対的に遅い!ブレーキは効かない!曲がらない!・・三拍子も四拍子も揃ってダメなクルマでした。
 オーナー本人さえも「このクルマはどうしようもない!」と思っている様子です。でも、私が初めてこのクルマに試乗した時の感想は、『元々は良い物(?)を持っていて、すぐに直りそうだ!』と言うものでした。
 そして、オーナーが思っている程悪いクルマではないことを伝えました。
 そして・・いよいよ始まりました。
 まず、この33の悪い処をあぶり出して行くのが、『第一段階』です。
 出て来ました。まず、プラグ。全くダメ!即交換。レーシングプラグに変更します。その時、3気筒目のイグナイター&コイルのセットが、破損していることを発見。即、新品交換。(→以前プラグを交換したショップのミスでしょうね。)
 一番悪さをしているのは・・ノーマルブローオフバルブが破損していることです。しかし、日産純正ブローオフの構造は、一昔前の”安物”のレーシングブローオフの構造をしています。→漏れて当たり前!の物でした。
 『何じゃ!こりゃ!!』と言うことで、あえてマツダ純正ブローオフに交換しました。理由は、その辺の市販品のブローオフでは、まず漏れが心配!漏れのないタイプは、高価!ということで、取付け部分をスペシャル加工(?)。
 ということで、『第一段階』は無事(?)終了しました。
 しかし、次の問題点が浮上して来ました。→ブーストがきちんと上がらない!
 この時には私としては、ノーマルの正常なブーストがいくつかなどと知らなかったのですが、明らかに低過ぎる!→多分、ブーストをコントロールしているソレノイドバルブが破損していると判断しました。つまり、アクチュエーターの設定しか上がらない!状態。
 しかし、オーナーの予算の都合があり、ここまで・・
 私としては、非常に不満を残しながらも、クルマを引渡すと、オーナーはよそう以上に非常に喜んでおりました。
 「今までこんなに速いことはなかった!」と。
 私は、不満げに、『まだ、ちゃんとした状態ではないけど・・暫くこのまま乗っていて!』『もっと速くなるはずだから・・・』と、伝えました。
 『第二段階』では、当初、これも予算の関係で・・バキュームホース対策、ソレノイドバルブ交換、ブレーキパッド交換がメインでした。
 詳しく調べてみると、ブーストが上がらなかったのは、やはりソレノイドバルブが破損していたのが原因でした。
 魔法使いでもあり、気巧師(?)でもある私は、故障しているソレノイドバルブに”気”を送り込みました。するとあ〜ら!不思議!!ソレノイドバルブは元気になって、正常に動き始めました。
 高回転側のブーストは、0.47キロから0.62キロに上昇しました。クルマは結構速くなりました。しかし、ノーマルのブースト制御は、2,500〜4,500rpmまでは0.47キロ。4,500rpm以上で0.62キロのようです。
 更に、容量は大幅に高く、ノーマルバルブより”安い”ソレノイドバルブを配管をベストの状態に改良して装着してみると、何と!、高回転側でブーストの制御がうまく行かず、”時々!”ブーストが思いっきり上がります。(瞬間的に1.4キロ以上!!→でも遅い!)
 予算を考えると、ノーマルソレノイドバルブに戻すのが、良いのでしょうが・・
 私としては、こんな結果では面白くないので、無理矢理(?)”上”の状態にしました。中古のブーストコントローラーを装着することにしたのです。
 これで、2,800rpmからフルブーストが掛かり、高回転でもきちんと制御されます。ブーストは、0.8キロに設定しました。これで、危険な1.4キロより、格段に速くなりました。(→理由は、今度詳しくね!)
 2速では必ず、3速でも場合によっては、ホイルスピンします。18インチのぶっ太いタイヤです。・・
 『こんなもんで、いいや!』と、この状態で引渡すことにしました。(多分、体感270馬力。)
 しかし、新たな問題が・・・実はノーマルクラッチが滑り始めてしまいました。折角、同乗走行チェックで、オーナーに”お漏らし(?)”させる私の魂胆はあえなく、ダウン(?)。
 それでも、オーナーは助手席でキャーキャーうるさくて仕方がありません。そして、その日はずっとニタニタ・・ニタニタ・・していて、まるで”異常者”のようです。
 車輌重量が1400キロですが、1250キロのFC3Sと同等の性能が出ています。(→もちろん、排気効率の良好なマフラーに交換してあるきちんとしたFC3Sのことです。)
 まあ〜、こんなもんでしょうか?
 実際に、”きちんと”した作業とは、必ず、結果を引き出せるものです。オの結果には、オーナーが一番びっくりします。
 私にとっては、何の不思議もないことなんですが・・・
 そうそう、言い忘れましたが・・故障したソレノイドバルブに送ったのは、”気”ではなくて、”電気”でした。
 12ボルトを電気ショックとして、バチッ、バチッと送り込むことで、故障していたソレノイドバルブが動き始めただけです。”気”を送り込む前に内部抵抗を測定し、断線がないこと、錆び付きか何かで動かないということを確認してからのことです。
 残念ながら・・”気巧師”では、ありませんでした。チャン!チャン!!