芯を出す!?

 1,000分の一からは少し離れてしまうかもしれませんが・・

 今回は、レーシングアートでの作業でアライメントに関する事です。
 レーシングアートでアライメント調整したり、ブッシュ交換をしたりする場合には”
当たり前の事”として、取付けボルトの芯を出して締め付けます。
 それはごく自然で基本中の基本と考えて作業してきました。

 ところが、最近になって気が付きました
 
他の所ではやってないらしい?
 今まで
足廻り得意!と言うショップで作業したクルマが実はボルトナットが緩んでいたり、外れて無くなっていたりしていても・・基本作業を行なっている筈だ!と思っていた私が甘かったのかもしれませんね。

 新規ユーザーの取付けた足廻りを、取付け、アライメントがきちんとしていると言うのを前提として、『このショックは良くないな〜。』と判断していたのが、正直なところです。

 ところが、最近きちんと”芯を出し”てみると、あ〜ら不思議!ダメショック(?)でも、実はもう少しだけ(?)良かったのです。

 一番多い例は、純正オリジナルの足廻りのままなのに、時々『何じゃこりゃ!?』と言うクルマがやってきます。全然曲がらないし、コーナリングも悪い!乗り心地も、音までする!本当に何じゃこりゃ!!です。
 でも、そんなクルマでも、
ロアアームの取付け調整用のカムボルトを一度完全に緩めて、芯を出しながらきちんと取り付けるだけでかなりクルマが変わります。(→同時に理想的なアライメントに取り直せば、結構良くなります。)

 『何だ?ちゃんと作業してないジャン?』と言うところです。

 そう言えば、私が”魔法”とふざけて言っている話もそんな事を含んでいるかのもしれません。
 先日、初来店のFD50万台の人が、レーシングアートのホームページを見てグリスをきちんと塗って(=本人はきちんとやったつもり・・)来ましたが、たっぷり塗ったその上から私が”シュッ”と一噴き。あ〜ら!不思議!またしても「
全然変わってしまいました。(=本人談)」

 しかし、それは当たり前かもしれません。
 私は、
ポイントで作業しています。例えグリスを塗る作業であっても、大事な部分のみ適量を塗布するのです。

 でも、それは多分私の作業を見ていても、きちんと説明しても出来ない人には出来ないのかもしれません。
 もちろん、このホームページをいつも見てくれているマニア(?)にはこれが、単なる自慢話ではないことは理解頂いていると思いますが・・
 ”
端から見て、簡単そうに見える作業程自分でやってみると難しい!”と言う経験は誰でもある筈です。

 多分、私が出来て他の人が出来ないと言う作業が本当に存在するのであれば、そんな事なんでしょうね。

 またまた、それて行きますが・・・
 最近、
バキュームホース対策にせよ、電気配線の修理にしろ、あまり力を入れて説明しなくなりました。
 少し前まで、『
私だけが知っている!本当に良くなるからやりなさい!』的な説明をしていましたが・・
 今では、『
なっちゃうんだよね〜。』『やりたければやったら?』的な説明に変わってきました。
 それは、傲慢とか、自信満々とは違います。
 今まで、作業したクルマの殆ど(=
95%以上はパターン通りのトラブルです。残り4%は少し調べれば解るトラブル。更に残り1%は、全く予測不能なトラブルで、数カ月以上掛けての大修理の可能性があります。)は予想通りのトラブルでそれを修理すれば予想通りの結果が生まれてきたからです。それは、『結果的に、良好な状態になってしまう。』と言う感じです。

 だから、『やりたければ(=正確には本当に必要だと思うなら、やってみたら・・』と言う気持ちです。
 それに正直な気持ちを言うと、実は修理は本当に大変で、
出来ればやりたくない!この人が修理の重要性を理解出来なくて、「やらない。」と言ってくれた方が楽だな〜。と心の中で考えているのかもしれません???
 でも、そんな私の
淡い期待(?)を裏切り、話したユーザーの殆ど100%を作業する羽目になるのですが・・・