コンプレッションを測りましょう!

 ロータリーエンジンの調子を判断するのには、必ず、コンプレッションを測ることが必要です。

 コンプレッションというのは、圧縮圧力のことです。ロータリーエンジンの場合には、1ローター当たり3つ燃焼室があるので、それぞれを別々に測定できるテスターが必要です。通常、ディーラーの本社にしか置いていないようです。測定する時には、近くのディーラーに予約してから測定してください。(もちろん、レーシングアートにはありますヨ!)

 よく「エンジンの掛かりが良いから・・」とか、「アイドリングが安定しているから・・」とか、「パワーがあるから・・」とか言って、コンプレッションを測定していない人がいますが、
 私としては、非常に不思議でなりません。
 何故なら、例えば、KMさんのFD3Sは、1室が0.0キロにも関わらず、何の儀式も必要無く一発で掛かります。(→細かく言うと、少しだけセルの回転を長くする必要があるのですが・・1秒が1.5秒かな?
 こんなエンジンを「大丈夫!大丈夫!とても調子が良い!」と言って乗っているユーザーはとても、心の広い人か、よっぽどおめでたい人か、ですね。
 因にKMさんは、とても気になっていたそうです。

 エンジン内部の情報を知るためには、一番良いのは誰が何と言おうとも、もちろんエンジンを分解して各部を細かくチェックすることです。しかし、少し調子が悪いからと言って、いちいちエンジンを分解点検するお金持ちはいません。
 変だなと思う症状が少しでも現われたら、まず、エンジンを疑うのが、第一で、そのエンジンの調子を知るためには、コンプレッション測定がまず、最初に行なうべき点検です。

 エンジンが原因で発生するトラブルは、素人で判断できる程甘くありません

 一見エンジンとは考えられないトラブルが、実はエンジンでエンジンをオーバーホールすると嘘のように直ってしまうことは、良くあることです。
 だから、まず、コンプレッション測定は、不可欠の点検です。

 また、コンプレッションを定期的に(半年に1回位かな。)測定すれば、あなたのクルマに異常が発生していないか早めに発見できます。通常、やってはいけないチューニングをやっていなければ(ポイントを押さえたチューニンなら)、3万キロ走行でコンプレッションは0.5キロも下がりません。また、正常なら、6室が均一に下がっていくので、もし、バラバラに下がっていくようであれば、すぐに、その原因を探しましょう。早めに手を打てば、エンジン破損までの最悪のシナリオは回避できるはずです。
 人間の場合の、定期健康診断と同じことです。


 しかし、コンプレッションを測れば良いのかと言うと、これがまた、問題を含んでいます。多分(?)50万台になってから、急にバッテリーの調子が悪いようです。新車なのにどうもセルの勢いが弱いようです。
 テスターには、コンプレッション測定時のセルの回転数が表示されます。まず、この回転が低い場合には、その測定値は、あまり信用できません。

 更に、その数値が正常(250rpm)でも、耳で判断する回転値より高い場合も、その数値は信用できません。(耳で判断するには、長い経験が必要です。
 つまり、勢いが弱く、200rpmも回っていないのに、250rpmとなる場合です。
 こんな時には、信頼性の高いバッテリーレーシングアートでは、皆さんが聞いたことのない銘柄のバッテリーを採用しています。レーシングアートで行なう非常に過酷なテストに合格した物です。)を新品に交換してから測定し直します。ジャンプさせてもダメです。正確な数値は測れません。必ず、交換です。

 更に、セルの調子が悪い場合も、正確な数値が測定できません。長い間放置した車輌では、セルの調子が極端に悪くなっているので、そんな時に測定してもあまり意味がありません。(→だからといって、わざわざセルのオーバーホールをする必要もありません。暫く、毎日走行するように心掛ければ、大体は、セルの調子は上がってきますから・・)


 このページで言いたかったことは、次の2つです。
1.ロータリーエンジンでは、必ず、定期的にコンプレッションを測りましょう。
2.コンプレッションの数値は、その数値だけでは、エンジンの判断は出来ません。周りの条件が整っていて初めて有効なデータとなります。

 皆さんも、頭を使って、賢いチューニング生活をエンジョイ(??)してください!!