ECR33オーナーの作業後コメント

 今回、また新たな試みとして、オーナーの作業終了後のコメントを載せてみることにしました。
 現時点で、”訳あって”掲示板を備えていないレーシングアートのホームページですが、皆さんが本当に知りたいのは、『作業後に自分のクルマがどういう風に変化するのか?』だろうと考え、ちょうど”良いサンプル(?)があったので、全文を載せることにしました。
 多分、レーシングアートで、”きちんと”作業した人達は、多かれ少なかれ、全員こんな気持ちになるのではないでしょうか?
 では、どうぞ!途中に、解説が入りますが・・気にせずお読みください??

も・もう120km走りました(^^;)
昨日は、結局家に着いたのが3時でした。
今日は、つくば市内の周回路(自然と走行ルートになりました)をぐるぐる・・・最後に
筑波山に行って、只今帰って参りました。
 
ほぼ全員が、クルマを渡したその日は、走り回るようです。ガソリンが無くなるか、2回満タンか、まで・・

最高です!!!

山崎さんが云われるように、今回は1週間位ではモノに出来そうもありません(^^;)。
 
前回の作業では、約1週間で性能アップに慣れてしまい、少しがっかりしたようです。しかし、3週間で3,000キロも走れば、そりゃ慣れるって言うものです!
昨日の帰り道と本日、色々なコトを試して冷静になって(?)感じたのは、「ちょっとこ
れはヤバイかも知れない」ということでした。

改めて言う事ではないですが、ホントに車が全然違うと実感しました。
昨日の帰り道も初めは、今までに感じたことのない暴力的な加速感に、ただただ涎を垂ら
し、頬が緩みっぱなしでしたが、努めて冷静さを取り戻そうとした時、そこでハッキリと
「今までとは全然違うんだ」ということがわかりました。

それでは、ファーストインプレション(?)で感じたことを書かせて頂きます。山崎さん
は全部ご存じと思いますし、「やっとわかったの?」と言われそうですが、書かないと高
揚した気持ちが収まらず、眠れないので書かせてください(^^;)。

○ ベタ踏みが出来ない

これは適切な表現ではないかも知れません、正しくは「必要ない&怖くて出来ない」です。
今までと同じ調子でアクセルを踏む必要がなく、ペダルに足を乗せているだけで車が勝手
に加速していくという感じです・・・こ・これホントに凄いです(笑)
そして何故だか直感的に「ベタ踏みは厳禁だ」と感じてしまいました。これが間違いなく
スピードに体がまだ付いていかない証拠だと思います。500mほぼ直線で交通量0という安
全な状況でこんなに「怖い」思いをしたのは初めてです。アドレナリン大放出でラリって
しまいそうでした(^^;)。

そしてまた、それとは逆に違った理由で「ベタ踏みは現時点ではあまり意味がない」とも
思いました。それは・・・

○ 5000rpm前後以降からはパワー感の上昇が頭打ち

クラッチが滑ってるのか原因だと体でわかりました。2500rpm〜5000rpmの加速感が強烈な
ので、なかなかこれを判断できるまで時間がかかりましたが、5000rpm以降で一定になる
のは、間違いなくクラッチですね。勿論私には滑っているどうかを感じることはできませ
ん(^^;)。もちろん回せば確かに加速はしていくのですが、非線形カーブになっている
感覚は分かりました。

○ そうはいっても・・・

といっても、今は全然十分過ぎるぐらい十分です。そこまで踏むことは当分無いと思って
しまうぐらいです。トルク感が物凄く、体が後ろから押される感じで、こう自然と涎が垂
れてしまいます(アホですね)。そして心底そう思うのは、「普通に乗っている時にもそ
れを感じる」ということです。なんかシートに座っているだけでそれを感じるのです。私
は頭がおかしいのかも知れません。

○ 荷重移動の不快感は、へなちょこ足周りのせいだと思っていましたが・・・

今まではブレーキを踏むと荷重がフロントに思い切り集中し、フロントが沈むという現象
は、へなちょこ足周りのせいだと思っていました。昨日帰りに先ず気が付いたのはこれで
した。「アレ?車が前に沈まない。」これは単にリアのブレーキが仕事してなかったとい
うことですね? 現在は減速しても前と比べて全然車が水平を保つのでかなり良い感じで
す。ローターの泣きは、無くなるとしてもまだまだ先だと思いますし、それほど嫌ではな
いので大丈夫です。
 
今回、ブレーキパッド交換及び、ブレーキフルードの全交換を行なってあります。しかし、ローターのかなり傷が深く、正常な効きを発揮出来ていません。キーキーと結構鳴きも大きい状態ですが、ローターが綺麗になってくれば、多分消えるはずです。

○ 問題はコーナーとバンプ

やぱり早くもズリを経験しました。勿論これは極めて安全な場所で意図的にやった結果で
す。深夜の人気のいない駐車場で試しに、フロントの荷重が載ったまま、ステアリングを
切って、どのぐらいのスピードでどのぐらい荷重が残ってたら、滑るのが分かりました。
予想してた限界よりも遙かに手前で「それ」が起きるのでビックリしました。コーナース
ピードは今までと同じぐらい、もしくはそれより遅く、というのを頭に留めてないと痛い
目に遭いますね、きっと。いくら止まるとはいっても、ブレーキに頼りすぎないように気
を付けます。それからバンプで空転するのが分かるようになりました。直線ではいざしら
ず、これがコーナーだったらと思うと、やっぱり踏めません(^^;)。
 
ブーストが上がり、トルクがドンと出る瞬間があります。その時、リアタイヤが空転するのですが、クラッチが滑っているので、今はそう心配いらないでしょう。

○ アクセルワーク

アクセルペダルとの接触を保つというのは、凄く難しいですね。昨日からずっと意識して
やっていますが全然駄目です、まだまだこれからですね。
 
基本的に、アクセルペダルから足の裏が離れないように、意識して運転してください。特にターボ車では重要な”イメージ”です。

○ ブーストの確認

メーターが欲しくなってしまいました。ノーマルで確認するのはなかなか辛いです。視線
を外すのが怖いですし、ピークをホールドすることも出来ませんし。他にやることが沢山
あるので優先度はかなり低くなると思いますが、将来絶対に付けたいです。
それでも、ちらっとチェックして見たら、今までと全然違う所を指しているのでビックリ
しました。

○ 油圧とアイドリング、エアクリーナーの音

油圧は、確かに今までより低くなったと思います。次回はオイル交換は必ずします。それ
から走行中と停車中での変動の幅が今までより大きくなったような気がします。アイドリ
ング時に不安定だったのは、完全に無くなってました、ありがとうございました。やっぱ
りエアフロだったのですね。それから、エアクリーナーの吸気音が変わりました(^^;)。
ホントはこうだったんですね。前は「ブシューーーーー」と吸ってたような音が、今では
「パスーーースッスッスッススススーーーーーーー」と途切れる音がするのが印象的です。
速い車の音がします(^^;)。それとエンジンの強烈な回転上昇音が重なって、それはそ
れは最高な音がします。すみません、こんな話ばかりですね(^^;)。
 
今回、バキュームホース対策を行ないました。バキュームホースの数としては、FDや、インプレッサほど多くはありませんが、対策後の効果は確実に体感出来ます。また、ホースが弛んでいたり、止めが甘い箇所もありました。

○ そして私は・・・

今までは、煽ろうとしても相手にならず、また煽られてもどうすることも出来なかったこ
とが腹立たしく、何故俺はこういう車を選んで乗っているのだろうかと、自問自答するし
かなく、またその原因が分からないというジレンマから抜け出すことができませんでした。

「この車は本当に”羊の皮を被った狼”の後継者(車?)なのだろうか」
「なんで、どノーマルのシビックやアコードに道をゆずらにゃならんのだ」
「直線でなんでハチロクに負けるんだ」
 
ハチロクなどに負けるとは、本当に可哀想なクルマでした。私には信じられませんが、多分殆どのECR33でこんな悲惨な状況が起きているのでしょうね!

こんな積年の思いに、さらに追い打ちをかけたのが、

「マフラー換えても、エアクリーナー換えても、全然変わらないじゃないか」
「それどころか、どんどん調子が悪くなっているような気がする」
「何をやっても駄目だろう、エンジンが震えても誰も原因が分からないんじゃ」
 
ディーラーや、ショップで何度か質問したようです。

勿論、私の過度に無精な性格が一番の原因だったと思います。オイル、プラグ、エアクリ
のフィルター・・・あまりにも無頓着でした。事実、車から気持ちが離れていました。そ
して、あげくの果てには「イジろうとするから車が悪くなる」と決め込んだのです。そし
て、上つっらだけのイジり(エアロやホイル)に走っていきました。もしかしたら、ロー
ンが終わったら、普通のセダンに乗り換えていたかも知れません。

そんな積年の思いから、私は今回の出来事で性格が変わってしまうのではないかと心配し
てしまいます(^^;)。

本日、シルビア(S15ターボ)が先頭で信号待ちをしておりました。結構イジってあるら
しく、マフラーから豪快な音もしております。タイヤもぶっとくて、変な形をしたウィン
グも付いてました。私が後ろに着いたコトに気が付いたのか、信号が変わると同時に明ら
かに全開で飛び出して行きました。1速、2速をかなり引っ張ってましたので恐らく頑張っ
ていたのだと思います。私はいつものイメージが頭を過ぎりました。

「ベタ踏みしても付いていけないのがオチだから止めたやめた、どうせ・・・!?」

その後に起こした私の行動は実にえげつのないものでした。今から思っても良心が痛みま
す(一応そういうことにしときます?)。

ちょっと踏んでみました。
シルビアは明らかに全開なのに遅いのです。
すぐに追いつきました。
そしてあまりに遅いので、ツツいてしまいました。
それでも一向に加速する様子がありません(してたのかも知れません?)。
なのでピッタリと張り付いて、じっくり様子を伺ってしまいました。
すると、シルビアのスピードが落ちてきました。
私はレーンを変えて、一気に抜き去りました。

しばらく走って信号待ちをしていると、追いついてきました。
今度は私が前なので、ちょっと踏んでみてバックミラーをみると・・・
なんと、全くついて来ません。
完全に戦意を喪失しているようでした。

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 こういうことなのか!
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この瞬間を私は一生忘れることはないでしょう。
私が必死でなかったのは、明らかです。
やらしい表現ですが、文字どおり「余裕」でした。
翻って考えてみると、シルビアのオーナーは相当嫌だったと思います。やらしい顔したス
カイラインが後にピッタリ張り付いて離れないのですから・・・

その後も、「トヨタノーマル準高級セダン系」が何度かちょっかいを入れてきましたが、
すぐに「この車、遅くない」と分かってもらえたようです。面白いように、すぐについて
こなくなります。その後は、後で普通のスピードで走っているので、私も普通のスピード
で走れます(^^;)

これは形容しがたいほど、気持ちが良いものです。

私の車より速い車は幾らでもいますが、今までと比べその遭遇率は極端に低下したのでは
ないかと思います。今まで嫌だったちょっかいを入れてくる車が、今度は楽しめるように
なるとは、面白いものです。性格が変わってしまいそうです(?)。
 
真面目な話、今のこの33には、レーシングアートで作業したFD3Sであっても、”全く問題の無い”FD3Sでなければ、勝てません!電気配線のトラブルや、オーバーヒートのトラブルを抱えたFD3Sでは、少し厳しい!!

問題は私より速い車に遭遇した時です。きっとその時に「ク・クラッチ交換だぁ!、そ・
それからぁ・・・!!!」と思うのでしょう。そして乗り手の未熟さをさらに実感するの
でしょう。それが一番、必要かつ危険な体験だと思います。しかし無理は絶対にしません。
自分の能力と車の性能がかみ合わないのが一番危険な状態ですよね。

本当にありがとうございました。
今回のパフォーマンス向上は予想を遙かに超えていました。
これが本当に私の車なのかと、未だに実感が沸きません・・・
 
間違いなく、元のあなたのクルマです!しかし・・殆どのオーナーが言うことです。
 だから・・・今まで元々持っているパフォーマンスを捨てていただけって言っているでしょう?

乗りこなせるようになるまで、時間がかかると思います。
お金が貯まるのと、イイ勝負かも知れません(^^;)。

とにかく、本当にありがとうございました。
また、メールさせて頂きます。次回は作業コメントに対しての質疑を書かせて頂こうと思います。

 どうですか?
 このオーナーが心底喜んでいるのが伝わってきますよね。これほど喜んで貰えると、こちらとしてもやりがいがあります。何のデータもない、ゼロからやるのは結構大変だし、レーシングアートでは、きちんとデータを取りながら作業するので、他のショップより中身の濃い作業になっています。
 『きちんと結果を出す努力を怠らない!』そんな”気合い”を感じ取って貰えれば、良いのですが・・・