クラッチ交換作業。
レーシングアートでクラッチ交換を行なう場合は、500馬力以下の仕様であれば、通常は”メタルクラッチディスク”交換を行ないます。
特に異常が無ければ、クラッチカバーとフライホイルはノーマルをそのまま使用します。(→しかし、最近ではノーマルカバーもフライホイルも使用出来ない程傷付いてしまっている人が多いのが現状です。その場合はノーマルの新品にします。)
FD3Sの場合、ノーマルのクラッチカバーの圧着力は充分高く、ディスクの材質を吟味すれば何の不都合も発生しません。
ただ、このディスクの”吟味”に、魔法が存在します。
500馬力のパワーにも滑らず、ジャダー(=クラッチミートの時に車輌が前後にガクガクする事を言います。)がなく、音も少なく(慣らしを失敗しなければほとんど出ません。)、減りも少ない(通常使用方法で約8万キロ使用出来ます。)。そんなディスクです。もちろん、きちんとした慣らし後にこの性能を発揮します。
皆さんが通常”強化”と呼んでいるディスクは、すぐにすり減ってしまうのが欠点です。(→減らない新タイプは、命がけの使用が必要なことは既に述べてあります!)1万キロ以内で必ず交換してください。それ以上使用するとカバーもフライホイルも同時交換が必要になってしまいます。
話がずれてしまいました。このページではもっと違う事を述べる予定でしたね!
そう、魔法の件です。
左図は、整備書を参照にしたクラッチの作業概説図です。
スプレー缶の絵はグリスの塗布面を示しています。
しかし、きちんとした性能を出すにはこの方法では不充分なのです。
- まず、塗布面を洗浄します。現在工場ラインで使用しているグリスは、”最悪”です。→それを綺麗に落とします。
- 更に、こびり着いた汚損を隅々まで落とします。場合によっては、磨きを掛けることもあります。
- 塗布するグリスは信頼性のある物を使用します。
- 塗布の仕方が、”魔法”です。新車で施されているグリスの量は、毎回目を被いたくなります。→塗り過ぎだったり、少な過ぎたり、必要ないところに塗ってあったり、必要なところに無かったり・・最悪です。多分、何万キロか走行後のチェックを行なっていないと思われます。
- メーカーの方法は、こちらとしてはどうでも良いので、先にいきますが、とにかく、適切な場所に、適切な量を、適切な方法でおこないます。
そうすると、『あ〜ら!不思議!!』同じカバーを使用しているのに、ペダルの踏力が軽くなって、おまけに、しっかりとしたタッチに変身です。そして、しっとりとした効きになるのです。
あなたも一度体感してみましょう!・・?