最近のノーマルブッシュの状況は・・
ちょっと解り難いかもしれませんが・・
これは、ノーマルブッシュです。フロント・ロアアームのフロント側ブッシュです。強化ブッシュに交換する為に圧出した現物です。
ネ印部分はえぐれてしまった部分です。他のページで書いたこともありますが、この失敗状態は強化ブッシュをヘナチョコショップで交換した時に発生することが多い例です。
ところがこれは、実は50万台のFD3Sのノーマルブッシュなのです。
皆さんは、「ヘェ〜!」位に軽い事のように感じるかもしれませんが、私はこれを見て、愕然!!としました。
今までのマツダにはあり得ない事です。
実は、今までも40万台後半から、ボチボチと手抜き作業が見られるようになってきていました。方向性のあるブッシュが左右で異なる方向に入っていたり、ノーマルピロボール・ブッシュの圧入方向が逆だったり、重要箇所のトルクが不足していたり・・・(→実は全てあってはならないことです!!)
でも、このブッシュを見た時はさすがに『う〜ん・・』としゃがみ込んでしまう程の驚きがありました。
それ程この作業は、あってはならない事なのです!
何故、こうなるのか?:
1.マツダのブッシュは、特に外側がゴムのままのブッシュは挿入方法が非常に困難です。(かと言って外側が金属のブッシュが入れ易い訳でもありません!)
2.その為、挿入直前に特殊な液(→メーカーで具体的に何を使用しているかは知りませんが、最近変化したような気がします。)を塗っておくのですが、その液が良くないのかも?
3.作業者の経験不足→圧入作業にはある程度の”コツ”が必要です。
4.作業後の確認がされていない。→一度挿入してしまうと外からは検査できません。→しかし、メーカーであれば実際に何トンで何センチというテストデータがある筈です。
よって、このことは全くお話にならないことなのです。
しかし、そんなことを言っても始まらない!起きてしまった事はこちらで発見して直さなければいけない。
でも、実際の場合では、一ショップにきちんとした専用テスターがある訳でもないので、経験で判断するしかありません。
40万台以前のFD3Sと比較しておかしな挙動を示していないか?ヘタリが早くないか?実際に力を掛けての動きはどうか?実際の走行フィーリングはどうか?などを総合的にみて判断するしかありません。
でも、より現実的なのは、コーナリングの挙動がおかしくなったら、その原因となるブッシュを強化ブッシュに交換するしかありません。
因に強化ブッシュの場合、より作業がし易いFC3Sのロアアームブッシュでもヘナチョコショップは、まずミスします。今まで他のショップで挿入した強化ブッシュの再交換作業(→実際には一度強化ブッシュをきちんと入れると最低でも3年位は交換しなくても良いので、1年位で交換している人は、そりゃダメでしょう!ってことになりますね!)を行なった時に、約90%がダメな状態です。この状態では、強化ブッシュの役目は果たしていません。
だから、怪し気なショップで強化ブッシュを入れたら、まず失敗していると思ってください。
話が大幅に逸れてきましたが・・・言いたかったのは、強化ブッシュは本当に難しいが、ノーマルブッシュでミスするなんて!それもメーカーで!!
と言う事は言いたかったのです。