工具に対する考え方。

 大袈裟に言えば、工具はメカニックにとって命の次に大切な物です。

 その辺りの事が解っていない人が多く、あなたは知らず知らずの内に私をイライラさせている事があります。(時々うっかりした事を口走ってしまう人がいます。

 私が使用している工具は、かなりこだわっている物が殆どです。

 例えば、バキュームホースをカットする”ハサミ”は価格は大した事はありませんが、切れ味、遣い心地にこだわって選んだ物です。
 それを
一回の作業中に10回近く頻繁に刃を研いで使用しています。そのハサミで少しでも堅い物を誰かが切ってしまうとそのハサミはもう二度と使用できなくなってしまう事すらあり得ます。

 例えて言うなら、寿司屋の料理人の包丁を「貸して!」と言うようなものなのです。
 まさか、幾ら”
無神経な人”でも寿司屋で包丁を借りて、自分が持ち込んだ魚をそのお店でさばいて、そのかすを捨てて行く人はいないでしょう。

 そのまさかをやってしまう人がいます。

 どこかの量販店で購入したレーシングプラグをレーシングアートの敷地内で交換して、CRCを借りて(CRCと言えども誰かが変な使用法をすると非常に使い難くなってしまう事だってあるんです。)、締め付けトルクを私に確認させて、そして極め付けは、外したプラグを捨てて行った。

 私は自分のことを、基本的に優しい人間だと思っていますが、マナーの悪い人間は、”大嫌い!!”です。

 そしてそんなことを繰り返していると、本当に激高した”鬼のような顔”をした私を見る事になります。(怒った顔が鬼のようになるのは父親譲りです。)

簡単に「工具を貸して!」と言わないでください。

レーシングアートの敷地内で、持ち込み商品の取付けを行なわないでください。

勝手に重要書類を見ないでください。

 こんな当たり前のことを、言わせないでください。

 今回は、本当に”職人!!”といったことを話しましたが、それを守ってくれれば、特に何も言いません。
 気になることを守ってさえ貰えば、あとはどうでもいい事です。気にしません!

※工具は、使い易さが一番です。何も高価でなくても構いません。しかし、良い工具は高価な事が多いのも事実です。
通常レーシングアートでは、スナップオン工具を使用するのが原則です。
一番の理由は使い易さです。手の平にしっとりと馴染むように設計されていると思われます。
2番目には生涯保証がある事です。最近では、色々条件も増えて全ての工具について保証が利く訳ではありませんが、消耗品と呼ばれる物以外は保証が利きます。プロとして工具を使用するとあちこち壊れてしまうスピードが速くなります。その時、保証が利くかどうかは重要な選択肢になります。しかし、一般のオーナーでは2番目の選択肢は考えなくても良いはずです。時々使用する位で壊れる工具の方がおかしい!と言えます。
95%はスナップオンが優れていますが、物に寄っては、マックツールの方が遙かに優れている物もあるし、国産のソケットが回り回ってスナップオンに採用されている物もあります。
ある程度の経験を積むとどのメーカーの工具が一番合っているか?解るようになりますが、通常の判断方法は自分で試してみるしかありません。
特に、刃物類(=ヤスリ、タップなども含みます。何故、同類に入るかは解る人には解る筈ですよね?)の工具は非常に重要です。因みにこの夏、堤防決壊で大きな被害が出た三条市は刃物で有名です。結構、良い物が見つかります。
ただ、私が使用しているバキュームホースをカットするハサミはドイツ製で、その刃を研ぐシャープナーはフィンランド製です。
使用するパーツも選択方法が非常に重要なポイントになりますが、工具も本当に良い物を選択しないと良い仕事は出来ないと考えています。しかし、工具に頼れ!と言っている訳ではありません。自分の要求に応えられる工具を探しなさい!と言う事です。(=自分の要求が上がれば、当然、工具も良い物を探すようになると考えています。)