プラグ交換で解ること。

・・オイル交換同様、プラグ交換についても私は過去に「自分でやれ!」と言っていました。しかし、プラグ交換時にも多くのデータを取ることができます。その多くのデータを一般のユーザーは見落としてしまっているので、私が行なうことが必要だと考えるようになりました。
 オイル交換同様、面倒で、掛かった時間で適切な工賃を請求できないので出来ればやりたくない作業ですが、仕方がありません。・・・

 まず、プラグを理想的に綺麗に使い切る為には、そのクルマが正常で無ければなりません。

●アイドル調整が適切に行なわれていること。

●プラグの寿命を決して超えていないこと。

電気系統のトラブルが発生していないこと。

●バキュームホース対策などが行なわれていて、元々のパワーがきちんと発生していること。 

 この条件が必要なのは、一つでも欠けていると本来の100のパワーを発生できず、例えば、70のパワーしか達成できないことになり、捨てている30のパワー分の燃料が常に、余計に供給されることで、常にプラグをカブらせることになっているためです。(=当然、燃費も悪くなります。70のパワーしか出ないので余計にアクセルを踏んでしまうためです。)

実際のチェックポイント:

1.プラグを緩める時のトルクをチェックします。多くは緩過ぎです。

2.プラグを外す時の引っ掛かりをチェックします。→スムーズに緩まず、ひどい時には手で緩められないこともあります。

3.プラグのネジ山をチェックします。→錆が発生していないか?オイルやガソリンが付着していないか?

4.プラグ全体のカーボン付着状態をチェックします。全体に真っ黒になり、薄い層でカーボンが付着しているはずです。厚過ぎるカーボンはダメ。少しでも白い部分があれば、即交換です!

5.中心電極を観察します。中心電極が綺麗に光っているか?エッジが丸くなっていないか?

6.周辺電極綺麗に光っているか?(中心電極も、周辺電極も光っている部分が無ければ、即新品交換です!)

7.中心電極の周りの碍子の部分は特に注意深く観察します。全体に””が入って新品と比較すると明らかに全体に膨らんできます。見た目で柔らかそうに見えるようなら、かなりひどい状況です。すぐに交換です。また、一部にクラックが入っていることもあります。それは、『ラッキー』です。もう少し発見が遅れていれば、エンジン破損に繋がりますから・・・
※スが入っている状態とは、軽石のように内部に気泡が入ったような状態です。その気泡が多くなれば当然全体の強度は極端に落ちてきて、簡単にヒビが入るようになります。そのヒビが2つ繋がればその破片はプラグから外れてエンジン燃焼室内部に入り込みます。擦りつけるように動くロータリーエンジンのシールとハウジングの間に挟まり、シール、ハウジング、ローターなどを傷付けます。それも相当強い力(=極々希にその瞬間にガッとエンジンが止まってしまう事もあります。)で挟むので、深〜い傷が出来てそれでエンジンは終わりです。)

8.プラグに湿り気がないかどうか?ガソリンか、水か、オイルか?

9.少し細かいのですが、プラグの温度が4本で異ならないか?チェックします。温度が異なり過ぎるのは非常に大きなトラブルを示唆していることがあります。

 プラグ交換作業も、横で見ていても何をやっているか、多分理解できないことでしょう!しかし、いろいろなチェックポイントを瞬時にチェックしているのです。また、ユーザーが自分で外して持ってきたプラグでは既に幾つかの情報を失っていますが、見ないよりはましでしょうか?
※外す瞬間に情報は逃げていくと言っても過言ではありません。ボーとして作業しているメカニックが居たとしたら・・何にも解らないメカニックと考えて良いと思います。
そして、そんなメカニックはプラグ交換の本当の重要性など理解してもいないでしょう。

 もし、交換作業中に”んっ!”と私が止まったら、何かトラブルがあったのかもしれませんね?その時は、ドキドキしながら、コメントを待っていてください・・・?
※情報は瞬間的に見つかる物とじっと観察して見つかる物があります。瞬間的な物は長い観察からくる勘みたいな物ですすが、もしあなたが本当に真剣なら必ず見つかる物です。簡単に諦めず、じっと精進してみてください??