リアライセンスライト・ハーネス
ライセンスライトは、ナンバープレートを照らす照明の事ですが、この部分に不具合があると独特なトラブルを発生します。
もちろん、他の電気トラブルが90%以上修理出来ていないとその症状は他の大きなトラブルの症状に埋もれてしまい、その独特な症状は区別出来ないかもしれません。
症状:アイドリング回転が何の前触れもなく、突然不安定になり、細かくタコメーターの針が上下に振れ始めます。その時、エンジンの振動も結構大きくなり、不愉快な振動がクルマ全体に広がります。
また、振動が出ている時はアイドリング回転が20〜30rpm下がります。
しかし、せいぜい長くても5分位すると治まり、何事も無かったかのようになります。しかし、この症状はハーネスを修理しなければ、無くなる事はありません。
また、注意深く観察すると、直っていると思われる期間でもほんの少しだけアイドル回転が下がっている事が理解出来ます。
※この下がり回転数は5rpm以下です。そのため、通常のアイドル調整を怠った人と同じ症状のように現れますが、その下がりは正常な落ちより遙かに進行が早く、また不安定さも比較にならないくらい大きな物になっています。
トラブルになる原因:
A.追突事故を受けて、バンパーや内部骨格にあたるレインフォースメントを交換するような修理が必要だとまずやられていると考えてください。
B.これは、ある意味自業自得な原因ですが・・一頃、流行ったブルーになるように後付けのポジション球を交換していた場合があります。
※後付けのポジション球は、出来が悪い物が多く、接触不良を起こす事が解っています。
修理方法:
A.基本的に、ライセンスライト・ハーネスを新品に交換します。
B.ただし、新品は往々にして加工がいい加減な物が存在します。そのまま、交換してしまうと完璧に直す事は不可能です。
C.修理加工は、テーピングを綺麗に剥がします。この時銅線に粘着成分が残っていると、半田処理などがうまくいかないので、剥がす時にも充分な注意が必要になります。
D.カシメ端子が駄目な場合も多く、その部分をカットして新たにきちんとしたカシメ端子を使用してカシメます。
※カシメ方法には細心の注意が必要です。基本的に細い一本一本の銅線がはみ出してはいけません。=トゲトゲが出来てはいけません。
E.ちゃんとしたカシメが終わったら、端子の内部に半田を流し込む感じで隙間を埋めます。
※この作業はかなりの経験が必要です。いきなり本番ではいけません。要らない配線で何度も練習してきちんと出来るようになってから、行なってください。ハーネスは単体では入手出来ません。ライセンスライト・ステーとセットになります。1万円弱の価格です。失敗するには大き過ぎる出費です。
F.この後は、防水と防電磁波の役目をさせるシリコンテープを最低2層巻き、その上から絶縁専用のアセテートテープでシールします。
※シリコンテープとアセテートテープは一般の人には入手が困難です。電気関係の現場担当の友人を見つけて入手しましょう!
G.ノーマルの新品のポジション球を装着します。ただ、この時端子部分に直接触れないように注意してください。ヘッドライトのハロゲン球の端子にはそのような注意をしている人もこの部分は手抜きをしているようですが・・手抜きはイコール直らない。と言う事に他なりません。
H.加工したハーネスを車両に戻します。一度、作業すれば解りますが、かなりきつい作業になります。隙間が極端に少なく、ついつい荒い作業になりがちです。しかし、少しでも無理な力がハーネス、カプラー、端子部分に掛かれば・・新品を取り直して、もう一度初めからやり直してください。
※あたかも簡単に終わると思える作業程、注意が必要な場合があります。特に電気系統の修理は一瞬の油断も出来ません。作業中にふっと他の事が頭をよぎったら、はっきり記憶のある作業時点に戻り、再度やり直してください。
特にこの部分の修理を行なう車両では、殆ど完璧に近い状態まで直っていると考えられます。
もし、少しでも手抜きを行ないそうな予感?がある場合は、初めから手を出さないでください。
重ねて注意しますが・・この部分は非常にデリケートです。いい加減な気持ちでは手を出さないでください!