キーレスエントリー(ディーラーオプション)
オプションには、メーカーオプション、ディーラーオプション1、ディーラーオプション2なる物があります。(=1とか2とかは勝手に付けた名前ですが、明確な区分があります。)
メーカーオプションは、通常工場のライン上で追加取付を行なうオプションの事です。ディーラーオプション1とは、関東近辺で言うと、港の近くに大きな工場があってメーカーから到着した車両が保管されている場所で追加設置されるオプションで、かなり頻度の高いオプションパーツに施されるようです。ディーラーオプション2とは、通常の皆さんが新車を購入するディーラーで取付作業をするオプションの事です。
※ディーラーオプション2は、オプション作業のみを行なう半ば専用メカニックが行なうので、かなり慣れた作業のためか?ミスは少ないように感じます。・・あくまで今までは・・
今までの経験で言うと、メーカーオプションで電気的な問題が発生した事はありませんでした。しかし、ディーラーオプションはかなり危険を孕んでいます。
つい、3年前位までは、そうそうトラブルはありませんでした。しかし、最近になって、トラブルを発生させているディーラーオプションの頻度が急上昇中です。
その中に、最近のクルマでは当たり前のようになっている“キーレスエントリー”があります。レーシングアートの会員の皆さんも70%以上が設置されています。しかし、このトラブルも電磁波メーターで発見出来たのですが・・かなりの頻度で発生しています。(=感覚的な数字ですが・・604000番台以降では、60%以上にトラブルが発生している危険性があります。)
幸い?トラブル自体の悪影響は非常に小さいので、『すぐに対策してください!』と言う人は非常に希です。(=エンジンに悪影響が出る可能性は、ゼロではありません。)しかし、ブロアモーター対策修理などが終了して、「凄いトルク!!」と喜んでいるオーナーは、次の作業で対策した方が良いと思われます。
逆に言うと、正規会員ではない一般のオーナーは、あまり気にする必要はありません。希に不定期の微少なエンジン振動が出て、少しずつコンプレッションが下がるだけですから・・・(=この場合のコンプレッションの落ちは、0.5キロ/15,000km程度の落ちと思われます。=これ位の“落ち”は普通のユーザーでは当たり前と考えている人が大部分なのでその中の一人と思えば気が楽ですよね????)
※コンプレッションが少しずつ確実に落ちる場合、それはエンジンも消耗品だからと考えるのはあなたの勝手な判断ですが・・・実際には殆ど落ちないのが正常なクルマです。例え、スポーツ走行3万キロでも0.1キロも落ちないのが本当に正常なクルマです。
本来の作業は、ドア内張を外してドア内部にアクチュエーター取付と配線を専用の物にカプラーオンで交換すると言う物です。普通に考えると、トラブルが発生するポイントは無いように感じます。そのため、この部分にトラブルを発見するまで、『キーレスエントリーでミスをするはずが無いでしょうね。』と会員の皆さんにもお話ししていました。
ところが、技術の低下は留まる所を知らないようです。カプラーをポンポンと付けて終わりの筈が・・・下に揚げた配線自体の問題ももちろんですが、ヘッドライト端子の所でも説明してあるカプラーの端子を押し広げてしまっているトラブルが発生しています。こちらは、ヘッドライトと同様カプラーから端子を取り出して修正しています。
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ドア内張を外して、専用配線を取り付けている画です。 配線の内、大電流が流れると考えられる配線に充分な注意が必要です。例えば、アクチュエーター(=モーター)などへの電源線です。 |
注意して欲しいのは、ここで揚げた遠い将来、最終的にコンプレッションを落とすかもしれないトラブルが、何もキーレスエントリーに限定されるトラブルではないと言う事です。
カプラーオンで比較的ミスがないと思われがちな物でも危険なトラブルが潜んで居る事を自覚して欲しいのです。未だに『カーナビのスピードセンサー信号線をエレクトリカルタップで取るのは危険だよ〜!』って言っても気が付く人はごく少数です。しかし、それは知らなくて良い事では決してありません。
自分で作業依頼をしたからには、もし、それが原因でエンジンが破損したとしても、全てその責任はあなたにあるのです。
その自覚を持ってください。機械であるクルマは自分で勝手に壊れる事はありません。誰かが何かをやらかして壊すのです。まして、原因不明で・・なんていい訳などあり得ません。まずは、自分がやらかしていないかどうかを真っ先に検証すべきです。
少なくともその部分に気が付いている人でなければ、レーシングアートの正規会員への道のりは遙か彼方!って事にも成りかねません。誰しも自分には甘い物です。しかし、こと機械に関してはその甘えは通用しません。あなたがやらかしたミスは必ず将来あなたに戻ってきます。それもとても嫌な気分を伴って・・・
でも、その時になってもそれでも真実に気が付かない人も多いのですが・・・・
※準備していた画を一部消してしまったので、上の一枚しかありませんが、その内ドンドン?修理しなければいけないクルマが出てくると考えているので、その時もう少し分解手順やドア内部のどこの部分か解り易くする予定です。