面研?

 面研は、主に合わせ面を密着させるために行ないます。そのため、
1.完璧に”平らである事が第一です。そのためにはヤスリ自体が平らである事は絶対条件です。しかし、完璧に平らなヤスリなど通常売られている商品では存在しませんから、ある程度平らなヤスリを購入してそれを加工して使用します。(=因みに、指先にペーパーヤスリを巻き付けて作業するのは、面研ではありませんよ!
2.次に、表面がつるつるである事が必要です。ピカピカになればかなり面が出ていると確認出来ます。
3.そして、当たり前ですが・・1.2.が両方とも達成出来ていなければ、失敗となります。
鏡はつるつるだから景色が映し出せるのは解ると思いますが、もし、平らでなければ映し出される景色は歪んで見えるはずです。完璧な面研とは、鏡のように姿を映し出す事が出来る物でその姿は決して歪みのない物と言う事になります。また、そこまで完璧に仕上げると、材質が金属であっても面同士がくっついて離れないようになります。
そこまでを要求している作業ではありませんが・・面研と言っても甘く見ない事が肝心です。甘く見ている人の作業では、加工前よりひどくなり、その後修正不能な場合も多くあります。実際、「面研をやってみました。」と持ち込まれたパーツで再使用不可!と判断する事もありました。

 面研のみを取り上げるつもりはありませんが・・パーツを組む時の一つの作業と考えてください。組み付けには、色々な工夫が必要です。単純に渡された物を何も考えず、組み付けただけの作業は、“プロが行なう組み付け”とは呼びません。そんな作業は、単なる“お遊びでしかありません。

 30万台以降のFD3Sで、40万台以降のパフォーマンスを得るために40万台以降のインテークパイプを交換します。

 この時パーツの面研を簡単に行ないます。

 本来、両面とも新品パーツですから、まず、普通のショップでは面研なんて行なうはずもありません。
 ところが、
普通でない(?)レーシングアートでは、新品だろうが関係なく面研を行ないます。

 特に、FD3S以降では、ガスケットが金属製になって、シール性は劣ります。正確には、厚い隙間を埋める能力が落ちたといった方が良いでしょう。

 このような事情からも、面研は是非とも必要な作業になるのです。

 ”見えないところにも絶対に手を抜かない!!”というほんの一例です。

 技術は見えません。素人判断でショップを良いとか悪いとか判断出来るはずもありません。
 
自分で、作業結果を体感するしかないのです。

 でもね!私にとっては、逆に技術が見えないから楽しいのです。

 つい先日も、プラグ交換、バッテリー交換を行なって、「特に、1速で低速トルクが増加し、燃費が5.5から6.5に伸びた。前より回しているし、エアコンも付けっぱなしなのに・・」「以前ディーラーで交換した時には、全く変化がなかったのに・・・・」と言われました。

 私が何気なくやっていることに多くの意味があって、それを”普通に”行なっているから、結果がついて来るだけのことです。

 決して、出るはずのない効果が出てくるだけのことです。

 『ちゃんとやりましょう!』の意味が少しだけ解って貰えましたか?