ホースバンドの選択

 純正ホースバンドは、現在までのテストではランエボ・のあるサイズの物が合格だっただけで殆ど全てのメーカーのホースバンドが不合格になりました。

 一番良くないのは、熱により、弾性を失うことです。つまり伸びきって押さえが効かない結末になります。当然、エア漏れが激しく発生します。
 なお、ついでに言うと、純正でホースバンド処理している箇所はメーカーのテストでも大きな漏れが発生した箇所だと思われます。このホースバンドを良質な物に交換する価値はあるかもしれませんね。

テスト方法:
 一番簡単な方法は、タービンのすぐ上側にセットして様子をみる事です。ただし、表面が熱で変色するまで行なう必要があります。
 次に可能な方法は、ターボライターなど1,000度を超える炎を発生させる事が可能なライターで満遍なく焼いてみることです。あまりに高温なので、表面は白くなってしまいますが、その状態でもバネとして充分な弾性を保つ事が最低必要です。
実は、この耐久性を保つのは、バネメーカーの人間に言わせると“無理難題”だそうです。通常、400度くらいまで熱が掛かると大概のバネは弾性を失うようで、それをクリアするには、かなり特殊な合金が必要になるそうで、さすがにこれは選択から洩れました。
しかし、現在採用しているホースバンドは、1,000度以上のテストでも全く問題なく、弾性を維持しています。この際の選択にも大きな時間を費やしました。サンプルを作製してテストすると、1,000個全てが没!と言う悲劇も発生しました。実は、この不合格のホースバンドを採用しているショップもありますが、駄目な事に気が付かないのでしょうか??不思議です。
※因みにレーシングアートで純正で一つだけ合格したのはランエボ・に採用されている68サイズのホースバンドでした。現在、ミツビシは結構追い込まれているようですが、技術者及び、開発者は真面目にやっているようです。トップがおかしければ幾ら技術者がきちんとやろうとしても駄目になってしまう。・・・嘆かわしい限りです・・・

左=マツダ純正ホースバンド
・・約300度の加熱テストでもクリア出来ず、簡単に伸びきります。

中央=レーシングアート採用品→約1,000度の加熱テスト後
・・この状態でも、充分なバネ性能を発揮します。

右=レーシングアート採用品の新品状態
・・加熱後と比較すると解りますが、メッキは完全に変性してしまっています。

更に拡大してみると、この加熱テストが如何に過酷か理解できる筈です。
→加熱テスト後では、正に“
黒こげ”です。
ここまで過酷なテストは本来なら必要ではありません。しかし、タービンが異常に高温になるトラブルも考えられます。その場合、1,000度に限りなく近づく事を過去のテストで体験しています。
レーシングアートで求めるのは、
もしも、万一・・それでも、使用可能なパーツです。