ブレーキフルード交換
「ブレーキのエア抜き“くらい”自分達でやってるよ!」と思った人は、要注意!!
特にFD3Sでは、クラッチとブレーキが同じタンクを使用しているため、ブレーキフルードを交換する時に、クラッチ側をやらなければ、反って、沸点を下げてしまい、何の意味もありません。
先に、フルードの話をしておきましょう。
雑誌などでよくDOT4やDOT5は沸点が高いので、ハードなブレーキングを行なうのに有効だが、吸水性が“非常に”高いので、非常に短い周期で交換する必要が出てくる。一方、DOT3では沸点は低いが、吸水性が小さいことで、DOT4やDO5より長く使用できるので、あまり、フルード交換をしない人にはDOT3の方が良いかも。と言った記事を見たことはありませんか?
実は、”これは正確な記述ではない!”正確な答えは、『純正DOT3は元々吸水性が高いが、メーカーによっては、DOT3より吸水性が非常に高い物もあるので、要注意!』です。
レーシングアートでは、フルードはelfのDOT4をお薦めしています。elfのDOT5の方がより高温での信頼性が高いのですが、ゴムへの攻撃性(?)が高く最低でも1年に一回は、全交換し、インナーパーツも交換する必要が出てくるのでメンテナンスの点で、DOT4をお薦めしているのです。
elfのDOT4を使用していれば、安定した効きが長続きします。
さて、ここから本題のフルード交換ですが、DOT3(純正)を使用しているのであれば、1〜2ヶ月で全交換してください。
しかし、それは現実的に不可能なことですよね!で・・
elfのDOT4ということになります。通常は、全交換は2年に一回インナーパーツの交換時に行ない、定期的にエア抜きを行なえば、まず問題ありません。
しかし、皆さんが行なっているエア抜きでは、全く役に立たず、やらない方がまだましという結論です。
理由は、多分、皆さんのエア抜きを行なう回数は、1キャリパー当たり10回未満でしょう?それでは足りません。15回目位から、汚損したフルードが出てきますから、それ以上必要で10回未満では一番重要な部分に汚損したフルードがやってきます。(→だから、やらない方がまだまし。)
自分達でエア抜きを行なう時は、20回以上行ないましょう。(=非常に重要!!)
レーシングアートで、フルード全交換に使用するフルードの量は2〜2.8リットルです。作業に要する時間は2〜2.5時間(→非常に慣れたペダル担当者と行なった場合。)も掛かります。
逆にこの時間と量より少ないようであれば、全く意味がありません。
また、エア抜きプラグの取扱いにも注意が必要です。最近行なった例では、ディーラーで多分行なったであろうエア抜き作業のせいで、エア抜きプラグに傷が入り、当たりが付くまで非常に無駄な時間とフルードを使用するはめになりました。
何故、こんな所に傷を作るのかははっきりしませんが(=永年自分で作業した場合には、こんなトラブルはないからです。)、多分、ダメメカニック達は、エア抜きプラグを本来垂直方向に締めるべきところを、斜め方向の無理な力で締め付けてしまうのでしょう。
このだめ作業は、当然そんなことを知るはずもない素人さん(?)達に解るはずもないので、素人でエア抜きをやってますと言われると、小さいため息を付いてしまいます。(→余計なことをしないで欲しいな〜!かな?)
先日も、『何で出来もしないことをやるかな!!』と会ったこともないダメディーラーメカニックに対して、怒りながら作業を行なっていました。
きちんとした作業の効果は・・・
フルード交換作業がきちんとしていれば、クラッチペダルはしっかりとしたフィーリングで多少重くなります。(=カチッとした感じです。)
ブレーキは、パッドが当たる位置まで軽く感じ、当たった後は、確かなフィーリングで、更に勘の良いユーザーであれば、ロックしたタイヤが、フロントの右なのか左なのかまで、感じ取ることができるはずです。(=FD3Sは、ABSが効いているのか、効いていないのかにわかには解らないのが、当たり前ですが、それらは、こういったメンテ不足、作業ミスによることも原因します。)
また、レーシングアートでフルード交換作業を行なったのにも関わらず、ロック状態を把握できないユーザーは、しょうもない(?)ブレーキパッドを使用していたり、すでにブレーキシステムにトラブルを抱えていたりするのですが・・・(→このユーザーは本当に、理解できているのでしょうか?最近、非常に疑問です!!)
たかが、フルード交換ですが、きちんと作業すれば、必ず、作業前より改善されます。
だから、改善されないのは・・
作業方法がいい加減か!
ブレーキシステムに異常をきたしているか!
本当にしょうもないパッドか!
と覚えておいてくださいね。
なお、念のため付け加えておきますが、一度きちんとフルード交換を行なっても、定期的にエア抜きをするのは当たり前の事で、特にハードブレーキングが多い人は、少しでも効きが悪くなったと感じたら、即、1キャリパー当たり20回以上のエア抜きを行ないましょう!!