あり得ない!オーダー

 あり得ない!オーダー(=この場合のオーダーは、位数つまり少数第何位と言う時のオーダーのことです。)とは、1,000分の一mm0.1Ωになります。
 ついでに注意すると・・このオーダーを否定的に考える人にはこの図書館のデータは何の役にも立ちません。世の中には、このオーダーを測らなければ、仕事にならない事は山ほど存在します。
 この当たり前の現実を認められない人には、この図書館のデータは、“
偽り”にしか見えないかもしれませんが、実際にその経験をしてこなかっただけであり、すぐ近くの周りにそんな人はウヨウヨいます。なにも人間国宝級の人間だけが出来る神業でも何でもありません。
 とにかく・・このオーダーを信じられない人は、この図書館に入りこまないでください。その方が、お互いに幸せなことだと考えています。レーシングアートの切なるお願いです。

 1,000分の一mm:
 マイクロメーターで測ります。通常は、定温室が必要になりますが、実際には測定対象を含め全ての対象を同一の温度にします。条件としては、体温に近い方が良いのですが・・
 通常の測定時には測定者を含めた対象を温度変化がない時間帯を選んで、比較的狭い空間に閉じこめ、温度が一定になるまで充分な時間が経つのを待ち、慎重に測定します。
 測定は、数値が安定するまで繰り返し測定します。個人的な誤差(=希望値?)が出ないように、数値同士の比較は行わず、単純作業でこなしていきます。久しぶりに測定する場合には、数百回測定することもあります。もし、あなたが初めて測定する場合には、数日を掛けて、最低数万回の測定が必要になると考えられます。
 しかし、逆に言うと、数万回“
きっちり”と練習すれば、あなたにも測定できると言う事になります。ただし、実際に測定できるかどうかに掛かっているのは、実は性格かもしれません。「とにかく、測るんだ!」と言う気持ちを持ち続けられるか?に掛かっているのです。

 0.1Ω:
 電気の事が少し解っているなら、このオーダーが簡単には測定出来ないことは知っているはずです。
 通常、このオーダーは銅線の内部抵抗を測定する時に使用されます。そして、一度測定したことがあれば、測定の度に異なる場合すらある事も知っているでしょう。半田方法がいい加減な場合には、簡単に大きくなる数値であることも知っているはずです。それ程、厄介なオーダーになります。
 しかし、これも正確に測れなければ、仕事になりません。(=
実は、これくらいの測定精度で判断できるトラブルは非常に解決しやすいトラブルです。難しいのはこのオーダーで判断出来ないトラブルです。現状でレーシングアートの作業の殆どがこの先になります。
 このオーダーが役に立つのは、イグニッションコイルの内部抵抗の測定時です。測定で0.2Ωの低下が認められれば、“
異常”です。もちろん、この時、コントロール(=コントロールとはここでは“対照”と言う意味です。)にするための正常作動する同程度の中古イグニッションコイルが必要です。
 
コントロールの意味を制御するとしか知らない人は、英語の文献を読んだ事が無いのがばれます。研究文献を見ると大体の図に“コントロール:○×”と出てきます。これも驚いたことに以前勤めていた会社で、“対照”の意味を知らなかった代表取締役にに逆ギレされた事があり、「おいおい、勘弁してくれよ!」と言う気持ちになりました。その逆ギレされた相手は某有名私立大学工学部の出身者でした。ある意味凄い?世界です。

 あり得ないオーダー以上:
 実際の修理作業では、上に上げたオーダーは普通に測れることが初歩的な技術です。
 レーシングアートで日々ぶつかる新たなトラブルは、それ以上の測定技術が必要になります。
 最近RX8の電気修理を行ないましたが、0.1Ωのオーダーなど何の役にも立ちません。更に今までのアナログ信号の修理の経験でも歯が立ちません。幸い50万台、60万台のFD3Sでは、各部分がどんどんデジタル信号に変わってきていたので、その変化の過程での修理経験が役に立ちました。
 結果から言えば、今までで最高の基準(=オーダー)で修理する必要があるのです。
 この場合、オーダー的に言えば、0.001Ω以上が必要と考えられます。このオーダーになると全く理解不能、判断不能なはずです。それでもそれを何とか判断する必要があります。今のところ0.01オーダーを半田の“ノリ(=プルルン??)”で判断しています。0.001のオーダーは更にその外側でカットし新品の配線に交換する方法を取っています。

 しかしながら・・上に上げたような実際の測定オーダーや、修理方法がどんなに凄いかどうかは、オーナーに取って何の役にも立ちません。オーナーはそんな細かい事を理解する必要もなく、結果のみを体感できる(=速くなったかどうか?)かが最重要課題です。
 修理前後で、体感できれば・・そのことがつまり、あり得ないオーダーを体感できた事に他なりません。