洞察力?

 洞察力と言うと少しカッコ良い!なんて感じるかもしれませんね。でも、実際の作業にそのような物は必要無いのです。必要なのは、充分な観察力です。高度な集中力です。
 だから、本当は長い経験もあまり意味がありません。ただ
ノホホ〜ンと過ごした技術者の経験など何の足しにもなりません。

 ここで、必要なのは自分が本当にクルマを大事にしたいか?どうかだけなのです。“大事にする気持ち”があれば、必ず見えてくるはずです。
 例えば、自分は変だと感じててもインターネットのくだらない(?)情報を見て、「
他の人も同じだから、これが正常なのだ!」や、自分では信頼できると判断しているディーラーのメカニックが「ロータリーエンジンはこんな物ですよ!」と言われて安心するようでは、“失格”です。

 自分が異常かな〜?や意味の解らない違和感を感じる時は殆ど100%異常だと考えてください。
 それを踏まえて、「
この違和感はどこからくる物なのか?」と考えれば良いのです。

 実際、レーシングアートで初期点検を行なう前に『自分が感じる全ての事をメールで送ってください。』と言われて、オーナーが送ってくるメッセージで殆どのトラブルが予測できます。もちろん、それを踏まえてちゃんと点検するわけですが、既に、90%以上のトラブルは予測しています。

 それ程、重要な部分なのです。
実際の項目で詳しく記載することになりますが・・簡単に上げておきます。
 
●電気系統:燃費が悪い。排気ガスが臭い!目に浸みる!排気ガスに色(青、青白い、白いなど)が着く!ヘッドライトが暗い!激しい雨が2〜3日続いた後数日間調子がいまいちになる。・・・
 
●冷却系統:クーラント臭がする。エアコンの効きが悪い。ラジエターキャップを開けると時々減っている。低速トルクが無い。エンジンの始動時間が不安定だ。スポーツ走行後1〜2日エンジンの掛かりが悪い。スポーツ走行直後にコンプレッションが下がったがしばらく走行するとコンプレッションが少し上がってきた。・・・
 
●バキューム系統:時々セカンダリー側のブーストが低い。ブースト変化が激しい。気温変化でパワーが異なる気がする。交差点で軽くアクセルを踏んでもトルセンLSDの作動音がしない。・・・
 
●足廻り:時々異音する。乗り心地が悪い(=助手席の人が気分が悪くなることがある。)。コーナリング中に手の平に汗をかくことがある。ワダチを発見するとステアリングに力が入る。バックでの車庫入れが苦手だ。真っ直ぐ止めたつもりなのに降りて確認するとクルマが曲がっている。・・・

 上に挙げた項目は殆どのオーナーが経験し、「みんなそうだから・・」とか、「まだ、このクルマに慣れてないから・・」とか、果ては「ロータリーエンジンだから・・」とか・・・
今まで確実に変だ!と感じながら、心のどこかで「
これは異常ではないのだ。だから安心しよう!」半ば強制的に不安から逃げ出そうとしているのかもしれません。現実を認めるのは誰しも嫌な事です。でも、それを正面から受け止めなければ何も解決できません。

 重要なのは、充分な観察力と、その結果から逃げない強い精神力?でしょうか??