ECUのリセット方法と注意点

 ECUのリセットは、パソコンがフリーズしたり、正常な文字変換が出来なくなった状態に似ています。これを取る方法として、再起動させたり、一度電源を完全に落としたりする行為と同じだと考えてください。
 つまり、行わない方が良いに決まっているし、そうなってしまった原因を正しく追求して、完全に直して、その後に・・HDDを物理的フォーマットを行なってからOSを入れ直すのが基本ですよね?
 あくまで、ECUのリセットの意味を充分理解した上で行なってくださいね!

1.
一番簡単な方法は、バッテリーのマイナス端子を外し、12時間前後置いてから、再度接続する方法です。

2.時間が無い時には、バッテリーマイナス端子を外して、15分おいて、マイナス端子を注意しながら、プラス端子に接触させます。数秒を2〜3回行ないます。

3.確実な方法は、ECUを取り外して、最低でも1時間以上おきます。(=出来れば、72時間以上おいてからにしてください。)

※それぞれの最後に、ブレーキペダルを数回力一杯ぎゅ〜と踏みます。

それぞれ、時間をおくのは、バックアップの電源が落ちるのを待っているためです。ECU内部のコンデンサーも簡単な電池の役割をしています。それらを完全にゼロにする必要があります。

バッテリー端子は、接触面積が変化することでその後のクルマの状態が大きく変化することがあります。作業前後で確実なデータを取りたいのであれば、元の状態に100%戻す事が基本です。(=100%の接触面積を確保する“作業”は実は魔法の一つです。それ故、非常に繊細な作業が求められます。作業の時は充分ご注意ください。)

ECUのカプラーや端子は非常にデリケートな物で、無理な力が掛かると接触面が減り、そこへ大電流が流れて・・・などと言うトラブルに泣くこともあり得ます。細心の注意で取り扱ってください。(=カプラーが外し難い場合も決してこじらないでください。前後左右に動かせるのは最大で0.2mm以下です。それ以上こじったら内部の数百ある端子を全て修正する必要があります。)

一番重要な部分です。
もし、あなたのクルマが、リセットすると一旦、もの凄く調子が良くなるが、3日も経つとすぐに調子が悪く、遅くなるクルマなら・・リセットは2度と行わないでください。電気系統に大きなトラブルがあるのにそれを直さずにリセットを繰り返す事で、ドンドン制御系統がおかしくなり、フリーズする事にもなりかねません。その一番起きやすい状況は、8,000rpmに近い高回転域です。当然、停止したエンジンは一度キーを抜く作業が必要です。200km/hオーバーの走行中にその行為は危険きわまりない事は解るはずですよね。(=実際に経験した人を数人知っています。)