ギアオイル交換の注意点
オイル交換時に、例え素人でも注意点さえ押さえておけば、オイルの不具合を早期に発見する事も可能です。
初めから、「どうせ、素人じゃ解らないから・・」「ディーラーなどの工場では作業を見せてくれないから・・」と“言い訳”する人は、レーシングアートでは“全て知ろうとする意識が弱いのだ!”と考えています。
簡単な事です。まず、“充分観察する”=よく見る。それだけでも随分変わってきます。
今日からでも出来る事なはず!言い訳は許しません!
下記のサンプルは、約3万キロはディーラーでオイル交換を行なっていたオーナーです。その後、レーシングアートに来るようになって、充分オイル交換を行ないました。(充分とは、5回以上交換する事を言います。それ以下だと以前使用していたオイルの成分が充分洗い流せていない事が考えられるからです。)
しかし・・今回のギアオイル交換は通常よりやや早めに行ないました。と言うのも、オーナーが違和感を感じての事ですが・・通常のオーナーでは感じない筈の微妙なオイルの劣化を感じ取ったからです。
このオーナーのFDは既に完璧に限りなく近い状態に仕上げてあるため、通常では感じ取れない“微妙な変化”感じ取ってしまうところまで来ています。(=ダメオイルを使用しているのに何の不具合も感じず、「マツダのミッションは元々硬いんだ!」と自分に言い聞かせている哀れな?オーナーには到底到達する事は出来ない領域です。)
実際、オイルは新油に限りなく近い状態で、ドレン・マグネットにくっ付いてくる金属粉も非常に少ない(=正常な状態よりやや多めだが、正常範囲)ものでした。
ただ・・違和感を訴えたミッションではなく、デフには少しだけ異常が認められました。
正常な状態より、少しだけ大きめの金属片が2個認められました。
この結果から、このクルマはオーナーが違和感を感じた時点で次回のオイル交換を行なう事になりました。
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外したミッションのドレン・マグネット ミッションケースは、1〜4速までのケースと5速とバックギアが入っているケースに別れています。左側のマグネットは、5速、バックギア。右が1〜4速です。 |
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金属粉を綺麗にふき取った状態です。 ふき取ると更に解り易いはずですが、1〜4速側も付着していた金属粉は非常に少ない事は明白です。 なお、左側のドレンはねじる部分がややつぶれています。この状態で何の問題もありませんが、これは3万キロディーラーで交換した“遺物”かもしれません。通常はこんなになる程の力を入れる事はないからです。 |
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デフのドレンプラグです。 左が上側、右が下側です。ミッションと同様に下側にマグネットが付いています。 |
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ふき取った状態です。 通常、レーシングアートでドレンを拭き取るのは使い古しの軍手の裏側です。 |
今後、新規でやってくる普通のFDの状態を載せる事にしますが・・
ここまでで、「う〜ん・・」と唸る人は、結構注意深い人かもしれません。
それに・・実は、細かい説明を入れませんでしたが、デフ側ドレンのアルミワッシャーのつぶれ方にも注意してください。これでも、レーシングアートでは交換回数が多くなって、後2回程で新品交換にする予定です。
多分、皆さんのワッシャーは、ガタガタで、外側に向かって広がっている事でしょう。それでも、いつものショップでは「そろそろワッシャー交換しましょうか?」などと言う気の利いた言葉は無いはずです。
重要なのは、自分で気を付ける事です。
誰もあなたのクルマなんか(?)丁寧に見てあげようなどと考える筈もなく、気の利いた言葉を掛ける事もないし・・・
一番重要なのは、オイル交換作業を行なうのは、実は、大体のショップでは新人君です。新人で何のノウハウや経験も無いのにここまで注意して観察するでしょうか?
オイルの状態を知るには、かなりの経験が必要です。少なくとも、チーフメカニッククラスでなければ、このような細かい観察は出来ない筈です。
『たかが、オイル交換。されど、オイル交換。』と言うところでしょうか?
今度あなたが絶大な信用をおいているショップで、誰がオイル交換をしているのか?チーフメカニックは。ちゃんと最終チェックを行なっているのか?・・それを知るだけでも、そのショップの“意気込み”を感じる事が出来るかもしれませんよ。
続く・・・030212