R33 GTR
R32GTRは、「車検対応マフラー+ブーストコントローラー+燃料調整」だけで結構速くなりました。ところが、R33は、そうはいきません。
ブーストコントローラーの”ブースト圧取出し位置”一つとっても、気を付けないとブーストの立ち上りが遅くなり、ブーストの安定性が極端に悪くなってしまいます。
前のショップで、ノーマルエンジンノーマルタービンベースのFD3Sに乗っているKMさんが、電気系統のトラブルで何度か来店し、自分のクルマを預けて、お兄さんのR33GTRに、迎えに来て貰っていました。トラブルは、なんとか修理出来ました。何度か来店して、いつも迷惑そうに待っていたお兄さんでしたが、弟のFD3Sが調子が良くなったある日、「自分のR33もやって貰えないか?」と言い出しました。
弟への話を聞いている内に、「自分のR33も調子が悪く、車輌価格550万円、チューニング費用150万円、トータル700万円の自分のR33が、車輌価格300万円、チューニング費用75万円、トータル375万円の弟のFD3Sに負けてしまうのが、とっても嫌なのだ!」「何とかしてほしい。」と言い出したのです。
GTRを扱うスピードショップは、非常に多く、技術力が非常に高いと思われるショップも数多くある。と思っていた私は、ちょっと驚いてしまいました。「幾らでも良いショップはあるでしょう?」と答えると、「実際に行ってみると、おかしな所が多い。」と言うのです。「だから、やってくれ!」と。(これは、あくまで、そのユーザーの意見ですよ。)
しかし、前のショップは、ロータリーエンジン専門ショップと言うことで、取扱えないとの上からの指示でした。それでも、そのユーザーのリクエストに応える為、ブーストコントローラーの部分のみ扱うことになりました。
そのユーザーが取付けていたのは、T社のブーストコントローラーでした。私の独断と偏見で、「そのブーストコントローラーが悪い!前のショップオリジナルブーストコントローラーなら、大丈夫なはずだ!」と決めつけて作業に掛かりました。
まず、T社のブーストコントローラーのデータを取り、オリジナルブーストコントローラーを取付け、データを取ってみてびっくり!なんと同じように悪い。「こんなバカな!」と焦って、取付け方法自体を根本から見直すはめになりました。ああでもない、こうでもないとやって、やっと納得の行く結果が得られました。結局、ブーストコントローラーの差は、微々たる物でした。(その時の私は、T社さん、ごめんなさい。という気持ちになりました。)
しかし、このお陰でR33にブーストコントローラーを取付けるノウハウを得ることができました。
他にも、最近では、AKさんのFC3Sがレーシングアートで作業をして速くなった頃に、時々迎えに来ていたAKさんの弟のR33が遅い!と、相談を受けました。
そのR33は、ノーマルエンジンなのに、滅茶苦茶濃い然調になってしまっていたのです。作業を行なったショップに、「燃調を薄くして貰った方が良いのでは?」とアドバイスしたことがあります。
GTRのデータは、まだまだ少なく、自信を持って作業できる程ではありません。しかし、困って泣き付いて来るユーザーを見捨てる訳にはいかないので、なるべく速い時期に、レーシングアートでGTRも扱えるようにしようと考えています。もう暫く、お待ちください。