適格なコメント?

 専門雑誌などで、有名コメンテーター(?)が、新車のコメントなどを長々と述べているのを、目にすることが多いのですが、実はその中には、明らかに”的外れ”というものがあります。

 その中でも、一番印象に残っているダメコメントは、FD3Sのリアサブメンバーの補強バーの追加が行なわれた時でした。
 最初に誰が言い始めたかは、記憶にありませんが、雑誌では、こぞって、「マイナーチェンジ後の、リアザブメンバーの補強バーが、足廻りの性格を変えた!!」などと、書き立てました。
 そのコメントを目にする度に、「ああこのコメンテーターも足廻りのことなど何も解っていないのか。」と私の中でのコメンテーターランキングが、急降下していきました。

 理論的には、補強バーが追加されたことで、足廻りの剛性は上がります。しかし、その剛性アップがドライバーに解るかというと、解らないはずです。

 通常、メーカーがマイナーチェンジを行なう場合、いろいろな部分を見直してきます。もちろん、マイナーチェンジ前の問題点を改良する目的もありますが、コストダウンも大きな目的の一つになります。

 そして、変更点はボルト一本にも及びます。その全てをカタログ上でうたうはずもありません。大きな変更のみを記載するのです。
 だから、マイナーチェンジ前後でクルマの挙動が、もし異なっていれば、足廻りのことが理解出来ないコメンテーターは、「そのせいだ!」と思うのでしょうね。(大きな変更点のみに気を取られて、細かいカタログには表れない変更点のことには気付かないのでしょうね。)

 「おいおい、しっかりしてくれよ!そうじゃないだろう。」と偉そうに、独り言を言いながら、雑誌を読んでいる”独断と偏見のレーシングアート”です。