アイドル調整(FD3S)
FD3Sのアイドル調整は、『自動調整だから、必要無い!』と言われたことはありませんか?
ディーラーで言われることもあるようですが、実は、これが間違いです。
基本的にクルマは機械ですから、日々の調整が必要に決まってます。
確かに、新型車になる度にメンテナンスフリーの比重は大きくなってきていて私の立場でもその方が助かります。
しかし、『機械は機械』、調整を忘れれば、それなりの結果(最悪の結果も・・)を招くことになります。
FD3Sのアイドル調整は、比較的簡単ですが、重要なポイントもあります。
自信のない人は、信頼のおける親切な(?)ディーラーに頼み込んで、やって貰いましょう。
いい加減にやってしまうと、かえって、調子が悪くなったり、コンピュータを壊したりすることもあります(重要!)。
まず、この点に注意しましょう!
それでは、やってみましょう!
実際の調整方法について
1.スロットボディの慴動部(=アクセルワイヤーを引っ張って、動く部分全て)にCRC556などの潤滑剤をたっぷり塗布します。
※スプレー缶半分位を使用するつもりで、バシャバシャ掛けます。
※CRC556は、ゴムに悪影響を及ぼすことが小さいので、気にせずガンガン掛けて、パタパタを繰り返しましょう。
2.アクセルペダルを、繰り返しパタパタと踏みます。
※初めて、やる時は、300〜1000回必要な時もあります。足がつりそうになるので、50回位を一本と考えて、数回に分けて行なってください。軽くなってきますから、それまで行なってください。
※一つの目安として、11,00rpm前後で引っ掛かりが出なくなるまで(重要!)行なってください。
※1.〜2.は、少なくとも1〜2回/月くらいは、実行しましょう。スロットルの動きを良くすることで、クルマ自体のレスポンスを上げる事ができます。
3.エンジンルーム内にある、右図のダイアグノーシス・コネクタ(バッテリーの後側にあります。)のTEN端子とGND端子を短絡させます。
4.GND端子とTEN端子を短絡させる目的は、コンピュータで管理されているアイドル回転を、コンピュータの制御をカットし、機械でのみの制御に戻すことです。
これをやらなければ、アイドル調整する意味はありません。
※もし、短絡させずに調整してしまうとアイドル回転は、制御が効きません。
5.右図のA.A.S.(※エア・アジャスト・スクリュー)を回して、エンジン回転を調整します。
大体は、エンジン回転は下がっています。
スクリューを左に回すとエンジン回転は上昇します。
750rpmに合わせます。
※A.A.S.は、位置が解り難いので、100円ショップなどで手鏡を購入して用意しておきましょう。(手鏡は、結構便利です。この際、購入しておきましょう。)
※アイドルア・ジャスト・スクリューと間違えていました。「アイドル」ではなく、「エア」です。間違いを指摘頂いたHGさんありがとうございます。020506改
6.調整が終わったら、短絡を解除して終了です。
注意(重要!);
●TEN端子とGND端子をショートさせる時は、充分に注意してください!すぐ近くにB端子があり、ここに短絡させると重大なトラブルが発生することが考えられます。
○新車でも、アイドル調整は必要です。いえ、逆に新車の方が低く設定されていることが多く、新車を購入したら、必ず、アイドル調整を行ないましょう。
○アイドル調整を行なう前に、まずプラグを新品にしてください。
○燃焼室内がカブっている時には、アイドル調整はしないでください。
○軽いカブりなら、エンジン回転を3,500〜4,000rpmにして、3〜5分エンジン回転を維持すれば、カブりが取れます。(この時、ブオーン、ブオーンとレーシングは絶対にしないでください。確実にカブってしまいます。)
○もう少しカブりがひどい時には、30分位エンジン回転を高めにして、周辺を走行してください。
●機械に自信がない人でも、2.までは、行なってください。これだけでも、アクセルレスポンスが良好になり、レーシングアートが薦める『気持ち良く・・』が理解できるはずです。