エンジンの慣らしについて。

 ロータリーエンジンの慣しは、注意が必要です。
 いい加減にやると、泣きをみます。脅しておきますね?

 というのは、レシプロエンジンの場合には、ピストンの慴動部分は、せいぜい100mmです。ところが、ロータリーエンジンの慴動距離は、600mm以上あります。単純にいうと、慣しは6倍掛かる!?

 解り易くするためにこんな説明をしましたが、実際、どのような症状が起きるのかというと・・・

などです。

 よくロータリーマニアが集まると、コンプレッションの話をして、「新車のエンジンでも当たり外れがある。」と、したり顔で話していますが、
 そんなヤカラに出くわすと、『エンジンが外れじゃない!おまえが外れじゃー!!』力一杯怒鳴りたい気分になります。

 私も大人ですから(きっと私を知っている人は、笑っていることでしょう?)、決してそんなことは口にしませんが、知っていれば、嫌な思いをしないのにな!と少し可哀想になります。

 慣しをきちんと行なった新車では、コンプレッションは、10.0キロまで上がり、均等です。(例:F10.1/10.0/10.2、R10.3/10.2/10.2と言う感じ) 
 ところが、通常の慣しでは、F9.1/9.7/9.4 R9.7/9.9/9.6 (8,131km走行FD40万台)になる事の方が普通です。全体に低いし、最大で0.8キロの差があります。1.0キロ以上の差だと、少〜し変なエンジンになります。(=普通は気付かないでしょうが・・

 ほとんどの人は、後者の方です。きちんとやれば、10.0キロも当たり前。どうです?知っていれば・・と言うのも解るでしょう。

 それでは、慣しのコツを一つだけ。(じっくり小出しにしていきましょうかね。ヘヘヘッ!=悪魔だ〜っと・・)

 簡単なことです。特にFD3Sは、ブースト圧が、低回転からフルブーストになります。自分では、慣しのつもりが、慣しになっていないことが多いのです。だから、私のユーザーには、『新車を買ったら、すぐにブーストメーターを付けなさい。』と言ってあります。そして、『ブーストメーターを付けるまでは、決してアクセルを踏まないように!!』と言い渡してあります。(もちろん、エンジンをオーバーホールした後も!!)

 特に、慣しを失敗するのは、FC3Sからの乗り換え組が多いので、充分注意しましょう。FC3Sと同じような走り方をすると、どんどんコンプレッションが下がっていきますよ!(=自分のせいだから、別に良いのですが・・・)

 そして、決してクルマのせいにしないように心掛けましょう!そんなクルマにしたのは、間違いなく、あ・な・た・ですよ!