電気系統がダメな時の代表的症状は・・

 ここに上げる症状は、私が電気系統にトラブルを抱えているクルマを”嗅ぎ分ける(?)”時の基準みたいな物です。
 私が今まできちんと修理を行なってきた結果であり、この症状だけをみて、「
俺のFDは電気がダメか〜!」なんて簡単に結論を出すのはやめてくださいね!あくまでも目安であり、経験のあるメカニックが総合的に判断する必要があります。
 まあ、でもそんな事を言っても、クルマを見て「
電気系統がおかしい!」なんて言い当てる(?)メカニックは数少ないはずで、大体、彼等の答えは想像出来ます。・・・つまり・・「あなたのクルマは正常です。こんな物です。他のFDにもこんな症状は普通に出ています。」です。
 更に、症状によっては、
他のトラブルと重なる症状も多々あります。実際には、そのトラブルによって、少しずつ程度が大きかったり、小さかったり、ニュアンスが少し違ったり(=文字にし難いって事。)・・・です。
 でも、その違いは実際のクルマを見なければ、当然判断出来ません。

 それでも敢えてここでこんな事を具体的に上げていくのは、一般ユーザーの内、「本当に自分のクルマを大事にしたい!」「絶対、自分のクルマは何かおかしな事が発生している!」と真剣に考えている人が読んでいて、「あれっ?もしかして・・・」と考えて、「よし!徹底的に修理するぞー!」と考えてくれれば良いな〜。と考えての事です。(→やっぱり優しいでしょ??)

 まあ、前書きはこの辺で・・・

・・・電気系統のトラブルを抱えているクルマの独特な症状です。・・・

1.排気ガスが、ガソリン臭く、目にしみる。
→特に、エンジン冷間始動時がひどく、もろに青白い煙りが出る。それもその後、数分間は続いている。
よく、「俺のFDは、触媒が付いていないスポーツマフラーだから、臭いんですよね!」と言ってくる人がいますが、そんな時の答えは『えっ!そんな事はありません!だって、レーシングアートできちんと作業して貰ったお客さんで、ストレートマフラーを付けている人でも、排気ガスも殆ど臭く無いし、メンテを行なっていない一般のファミリーカーより、臭いがしないんですよ。』です。もちろん、触媒が入っていれば当然ガソリン臭くなったり、目にしみる毒ガス(?)は発生しないものなのです。

2.アイドル回転が小刻みに、”不定期”に震える。(=振動が出る。)
→定期的に点火していれば、当然、定期的な振動になります。不定期なのは時々点火にエラーが発生しているからです。
定期的な振動は他の場合が考えられます。一番恐いのはエンジン破損。

3.燃費がそれまでより、極端に下がる。
→レーシングアートでは、通常の都内渋滞を含む街乗りで、7.0km/lと考えています。その燃費が4.0km/l以下なんて事になってしまう場合。また、何かパーツ取付けの作業を行なった前後で、大きく変化した場合もその作業で電気系統のトラブルを生んだ可能性が非常に高いと考えた方が自然です。

4.プラグが限界に達して後、新品に交換すると間違いなく燃費が上がります。そんな時も全く変化しない。(→もちろん、低いままと言う意味です。)
→この場合は、電気系統の内でも主に点火系統のトラブルの可能性が非常に高くなります。しかし、その場合でも、「イグナイターを交換したら、直った〜!」としてはいけません。あくまでも、原因を探し、根本の病源(?)を無くさなければ直らないし、病源を放ったらかしにして、対処療法で症状のフタをすると、隠れた部分でドンドン悪影響が広がっていきます。(→パーツが勝手に壊れる事は非常に少ないと考えてください。特に経験上イグナイターが簡単に壊れる事などありません。)
この例は、フロントハーネスを事故か何かで傷付けて、その影響でイグナイターが破損してしまう場合が一番あり得る例でしょう。この場合、FDのイグナイター(53,300円)を何度新品交換しても直らないし、ドンドン悪くなって、点火コイルや、果てはエンジンのコンプレッションも少しずつ低くなっていきます。
なお、イグナイターを交換すると決めた時、もし高回転でミスファイヤーが発生していたら・・・「もう、次は車輌火災か?」って考えた方が正しい判断と言えます。(=あなたのクルマは非常にヤバい状況に陥っている可能性があるのかもしれません。)

5.特に、フロントハーネスにトラブルがあると、ポジションランプやヘッドライトが暗い!と感じます。
→本人が気付く事は希です。
どちらかと言うと、修理したら明るくなった!と言うのが、通常のパターンです。

6.その他。
→その他では、細かい症状が重なり合って発生するので、文字にするのはその内・・・って事にします。